先生……

誕生日

今日は……、十三日か。

明日の十四日はあたしの誕生日。

いつもは顔を合わすこともないあたしとお母さんだけど……。

誕生日だけは毎年一緒に晩ご飯を食べた。

会話はなかったけど、年に一回のことだからいつも緊張してて。

でも、嬉しかった。

そのときだけは二人の間に温かい空気が流れてたから――……。

――――――

PiPiPiPi、PiPiPiPi、PiPi

カチッ

六時半。

いつもはもうこの時間にお母さんはいない。

だけど毎年この日だけは……。

リビングに入りながら挨拶をする。

「おはよ……う。
お母さん……?」

だけどそこにお母さんの姿はなかった。

「もう、行っちゃったのかな?
ん?手紙……?」

テーブルの上には、半分に折られた手紙と朝食。

そこには…………。

ザアッ

心に風が吹いた……。
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