聖盤遊戯



体が熱い。
そして動けない程に痛かった。
あれから自分がどうなったのか、怜は覚えていない。


ただ一つわかるのは自分が生きているということだけだった。



「大変でしたね、天樹君」


「…先生? 僕はどうなったんですか」


「平気でしょう、特に命に関わるようなことは無いから」


「じゃあ、昨日のあの生き物は…?」


「とりあえず落ち着いて。 順を追って話すから」



未来は一呼吸おいて、話し始めた。
昨日のことをゆっくりと紡ぎ出して怜に届くように。
彼女の口から出てきたのは思いもよらない言葉だった。



「天樹君、貴方は『能力者』なの」



『能力者』。
それは一体何なんだろうか? 
今の説明だけでは怜には理解出来なかった。




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