僕等がみた空の色





……え…―――



目の前が歪んだ。

立っていられなくて膝をつく。



ジャーンッ……――ッ―……!



そのとき、無防備な鍵盤に手をついてしまったようで耳障りな音が耳をつんざく。



息ができない。


体中の鳥肌が立ち、全身の震えが止まらない。



「六花……!?」



ママの声が遠くに聞こえた。


目の前の景色が渦巻いたり、ぼやけたり、真っ暗になったりして、くずおれそうになる体をかろうじて支えるものは皮肉にもピアノだった。



浅い呼吸を荒く繰り返し、ママの手が背中に触れたのが分かった。


・・・
あの曲が頭の中を流れていた。



ぐるぐる、ぐるぐると。



優しいはずのメロディーは不協和音を奏で、頭の痛みがそれに呼応していた。




そしてアオの背中が一瞬見えた気がして、そこで意識が途切れた。



ママの、あたしの名前を呼ぶ声は最後まで聞こえてた。








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