僕等がみた空の色
こっち、と案内されるがままに無駄に広い廊下を藍の後に続く。
…て、おい。
しかも角部屋かよ。
…もしかしてもしかしなくても、藍て金持ち?
「お、藍。彼女連れ込んでんの?」
聞き慣れない声と聞き慣れた名前に思わず反射的に顔を上げた。
「…セイラくん」
藍が呼んだのを聞いて、キレイな名前、と思った。
どうやら隣人のようだ。
藍の部屋らしき角部屋のすぐ隣からちょうど出て来ていた。
「これから大学?」
「おう。サークルの集まりに顔出すだけ行ってくる」
なんてゆーか、端的に言えば、イケメンだ。
藍もカッコイイんだけど、また違ったカッコよさってかんじ。
藍はなんか、キレイとゆーか美人さんなんだけど、この人は肉食系イケメン。
きっとモテるんだろうなーと二人のやり取りを聞きながらぼんやりと思った。