僕等がみた空の色
うん、とかすれた声しか出なかった。
でも藍が教えようとしてくれているから、あたしは聞かなきゃ。
全部、受け止め切れなくても。
きっとそれだけでいいから。
「親父と母さんは同じ音大で出会って、結婚して、指揮者としてすでに忙しかった親父に愛想尽かした母さんは俺を連れてすぐ離婚したよ」
最低な親父。
吐き捨てるように言った。
「俺が中学生のとき、元々身体が弱かったのに、シングルマザーだから無理して、倒れて、…そのまま」
泣けばいいのにって。
そんな顔するくらいなら泣けばいいのにって。
藍もあのときのあたしを見て思ったのかな。
「母さんは幼い頃に両親を亡くして天涯孤独。親父を頼りたくもなかった」
母さんが死んだのは、親父のせいだって。
一度恨んだら後戻りできなくて。
「あのときの六花と同じように、逃げてたんだ。だから六花には俺みたいになってほしくなくてえらそうなことしたんだ」
自嘲的な笑み。
「…もし、藍が自分のためにあたしに近づいたとしても」
たとえ、利用されてたとしても。