僕等がみた空の色










「ほら、六花、また間違えた」




指がもつれて、ピアノが不協和音を奏でる。


今日何度目になるか分からないママの指摘に思わずため息をつく。


「いつもはこんなところでつまづかないのに、どうしたの」



ピアノ椅子の背もたれに体を預け、これ以上は先に進まないことを暗示する。

多分、どうやったって指はまたもつれるだけだ。



原因は分かってる。

そんなの、火を見るより明らかだ。




「…ごめん、ママ。今日はこのへんにしとく」



ママは分かったわと肩を竦めるだけで何も聞いてこない。





毎日二時間、あのあかずの間だった部屋でレッスンをする。








< 269 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop