僕等がみた空の色
「ほら、六花、また間違えた」
指がもつれて、ピアノが不協和音を奏でる。
今日何度目になるか分からないママの指摘に思わずため息をつく。
「いつもはこんなところでつまづかないのに、どうしたの」
ピアノ椅子の背もたれに体を預け、これ以上は先に進まないことを暗示する。
多分、どうやったって指はまたもつれるだけだ。
原因は分かってる。
そんなの、火を見るより明らかだ。
「…ごめん、ママ。今日はこのへんにしとく」
ママは分かったわと肩を竦めるだけで何も聞いてこない。
毎日二時間、あのあかずの間だった部屋でレッスンをする。