僕等がみた空の色
「きっと結城くんなら六花ちゃんを救ってくれるって思ったから、任せたのに」
かすかに苛立ちを滲ませるようにその眉間にしわを寄せて、もう、と吐き捨てる。
一年生の冬、汐が言っていた。
『六花ちゃんに近すぎる私は、六花ちゃんを救うことはできないから』
一番あたしのことを心配してくれて、一番あたしの幸せを願ってくれてるのは汐なのに、なにもできないからと身を引いたことは汐にとって相当つらかったに違いない。
「私が言ってもいいのか悪いのかなんて、もう知らない。私は、六花ちゃんがつらいのは嫌だから」
うっすら水の膜が張ったその瞳には、決意がにじみでていた。
「私が知ってることなんてそれくらいしかないけど、その星羅くん?て人が言う通りだよ」
一瞬ためらったが、汐は目を逸らさずにはっきりと言った。
「六花ちゃんは結城くんと過ごした時間を忘れてる。確かに、二人で共有した時間があるの」
そして、再度ごめんね、と言った。
「汐はなんにも悪いことしてないよ。…ありがとう、話してくれて。あたしも思い出せるようにがんばる」
まだ何か言いたげにしていた汐に構わず、すっかり暗くなった道に身を投げ出すように帰った。