僕等がみた空の色






天気予報では天気が悪くなるのは午後からだと言っていたにも関わらず、どんどん空は暗くなっているように思われる。




だんだん眉間のしわを深くするあたしを心配して、汐がこちらをハラハラとした表情で見てくる。



きっと一目散に駆け寄りたいのを我慢しているのだろう。
いつ先生が来るのか分からない今は全員が自分の席についたまま談笑し、きっとここで席を立てば目立つと分かっているからだ。



そこで、大丈夫の意味も込めて精一杯の笑顔を見せたけど、汐には無理してるってバレているだろう。



そして、結城はあたしに構うのにもう飽きたのか前の席の男子と話をしている。



やっと解放された気がして少し安堵する。



あとは先生が来てあいさつするだけで帰れるのに、うちの担任は何をちんたらしているんだ。



雪が降る前に家に帰って、汐と二人でお祝いして。


そんな時間を過ごすことを昨日まで楽しみにしていたのに。









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