僕等がみた空の色
第10楽章 魔法をかけて。





朝、学校へ行くと藍はもう来ていた。

何人かの男子に囲まれ、教室の隅で談笑している。



あたしに気付くと、微笑んで口パクでおはよ、と言った。



淡い微笑みを返すと、また話に戻っていった。




……なんか不思議。


ついこないだまで、嫌いだったのに。



…嫌いってゆーか、むかついたってゆーか……。




最初は、あたし、藍が……


「六花ちゃん」



「汐、おはよぉ。」


寝坊するかも、と言っていただけあって、長い天然パーマの髪が乱れている。




「よく間に合ったね、偉い偉い。」


汐の頭を撫でながら髪を直してやる。



ふと顔を上げると、藍たちの集団がこっちを見ていることに気づいた。



……?



あたしが見ていることに気づいた藍は、何でもないよ、というふうに手を振ってみんなの視線を逸らさせた。


とりあえず微笑んで頷いといた。







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