僕等がみた空の色
「りっか!」
声がしたほうを振り返ると、藍が小走りでこちらに向かっていた。
「先に来てるのかと思った。」
そう言うと、不思議な顔をした。
「俺、六花のこと探してた。見たらもう教室いなかったから。」
「え、あたしも、藍が教室にいなかったから来たのに。」
二人できょとん、と顔を見合わせた後、小さく笑い合った。
「昨日もさ、すれ違いだったんだよな、俺ら。」
カギを鍵穴に差し込みながら、藍が言った。
「あれ、すれ違いだったの?」
そういえば、中に誰もいないと思ったのに、藍は中から出てきていた。
「あれって、どうなってたの?」
頭がこんがらがって、藍に助けを求めるように尋ねた。