僕等がみた空の色





まぁとりあえず中に、と言われて塔に足を踏み入れる。


まだ三回目だけど、何度も来た感じがする。



「六花が来たとき、俺は二階で掃除してたんだ。」


一目散に四階を目指したあたしが、気付くわけないよね…。



「でも、真っ暗だったよ?」


「カーテン閉めきってたし、奥の小さいランプひとつしかつけてなかったから。」


しかもちょうどイヤホンで音楽を聴いていたらしい。


だからあたしがドアを開けても階段上っても気づかなかったって。


それから外に出た。


「気づいたのは、六花が窓から外を覗いてたとき。」




やっと四階にたどり着いて、藍はカーテンを開け始める。


あたしは少し抵抗しながらも、手近にあったピアノ椅子に腰かける。







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