僕等がみた空の色





「でも、あたしからは見えなかったよ。」


口を尖らせて言うと、藍はほのかに笑った。


「うん、違うとこばっか見てた。」


あたしに気づいた藍は、中に戻って来た。

でも、運悪くあたしが回ってきた方向と全く逆の方向に回ってしまった。


円形の塔を二人でぐるぐる回ってたなんて…。



「それで、中にいないって分かって帰るつもりで外に出てきたら、やっと会えた。」



笑顔で言われて少しドキッとした。



「な、なんで外に出たの?何してたの?それに、あたし何か聞いたの……。」



照れ隠しに矢継ぎ早に質問する。

藍は、少し哀しそうに

「それは、後でいい?」


って言った。







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