天使と吸血鬼
「買ってやろうか?」

「いいよ。
自分で買えます。」

そう言って私はスワンが2羽
入っているオルゴールを
手に持ってレジに並んだ。

「買ってもらえば?」

「楓。いつの間に。」

「だって先生に買って貰っても
よかったはずだよ。」

「いいよ。何だか恥ずかしい。
それに彼氏じゃないから。」

「そうだよね。
けど、何でエリカだけに
先生は言ったのかしらね。」

楓は不思議そうに言ってきたけど、
私は先生の気持ちを知る事が
出来るのなら知りたい。

本当はそういう能力を
使えるけれど、
使いたくない自分がいる。

だから、楓の時でも同じ。
使って得する事もあれば、
自分が傷つく可能性もある。

だったら使わない。
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