天使と吸血鬼
先生の声は大きかったので、
他の先生まで教室に来た。

「どうされましたか?」

「いいえ。」

先生は他の先生と一緒に、
職員室に戻っていく姿を見て、
他の生徒も大人しくなった。

授業が始まるにも関わらず、
楓は私の腕を持って、
歩き始めた。

お互いに何も言わなく、
ただ楓に連れられて歩いている
何故自ら楓を助けなかったのか、
自分の答えが出せなかった。

魔力を使うと、
楓にバレてしまうより、何処かにいる
天使に知られてしまうことが、
一番怖かったかも知れない。

屋上に着いた。
すると私の腕を持っていた楓は、
私の腕を離して、
フェンスに持たれて私を見つめた。
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