天使と吸血鬼
・先生サイド・

生まれて初めて愛した
女性と結ばれた。

彼女はグッスリと俺の胸の
中で眠っている姿を見て、
心が嬉しかったけど、
彼女の腕を見て思った。

「やはり・・・。」

彼女の腕に十字架の痕が
くっきりとあった。

彼女とひとつになった時、
真壁は涙を流していた。
何故かと聞きたかったけど、
俺の星型を見て分かった筈。

本当はお互いに結ばれない、
運命だと感じた瞬間でも、
あったかも知れない。

俺は知らないフリを
しょうと思った。

だってさっき寝ていた時、
血を吸う事は出来た筈。
けど彼女は今もそうだけど、
安心しきった顔で、
俺の腕の中で眠っている。
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