天使と吸血鬼
新学期が始まった。

「受験だよ。」

楓は大学に行くつもり。
私は進学もしないので、
他の生徒より気楽。

「何だかエリカ?
綺麗になったんじゃないの?」

「普通だよ。」

変な顔で見てくる楓だけど、
先生と一つなった事は、
恥ずかしく言っていない。

「何故進学しないの?」

「両親が進学をしなくっても
いいと言ったの。
両親の元に戻るつもりだから。」

「じゃあ海外に?」

「分かんない。
どこかに行くかも知れないけど、
楓とは一生友達だよ。」

「何だか永遠の別れみたいな
事を言わないでよ。」

楓は笑ったけど、
私は正直笑う事が出来ない。
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