天使と吸血鬼
「起きたか?」

「うん。」

先生の笑顔に私は涙を
流さない方がおかしい。

「どうした?」

「嬉しかった。」

「俺もだよ。」

先生は私を強く抱きしめ、
私も先生を抱きしめた。

お互いに知っている。
私は悪魔界の吸血鬼。
先生は天使界の天使。

けどどちらも話さない。
多分蓋を開けてしまうと、
2度と先生と私は、
一生会えないだろう。

だったらお互いに、
黙っているのはいいと、
判断をしたかも知れない。
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