粉雪のマジック
時は過ぎ、気づけば夕方。


『……じゃあ、もう帰らないと。』

『ああ。』

本当はディナーとか一緒に食べたかった。


ゲーセンで遊びすぎたから昼食もままらなかったしね。


でも早く帰らないと、父さんが心配する。


それはあいつだって知ってた。


一回、あいつと二人で遊んだ時にあたしが大怪我をして

あいつ、父さんに平手打ちされた事があったから。

だからもう二度と会うなって言われてる。

その約束を父さんが覚えてるかは分かんないけど。


『……まだ』

『ん?』

『まだ、あの時の事……。』


引きずってる?

そう聞こうとした時、


ギュウ


あいつは無意識にあたしを抱き締めた。


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