Devil†Story
「そうなんだね!今日はお兄ちゃん達が4人も来てくれて嬉しいなぁ!」
クロムが来るのが最後であることを知らない輝太はキラキラとした表情をしていた。
「フフッ。良かったね、輝太」
チラリとクロムの方を見つつ、稀琉もそれを悟られないように輝太に笑顔を向けた。
「うん!」
「ほな何して遊ぶ?」
麗弥も輝太の目線に視線を合わせつつ、遊びを提案する。余程嬉しいのか輝太は宝石のような瞳を向けていた。まるで太陽光を反射させているような、純粋無垢という輝いが外に流れ出ていた。
「じゃあ、じゃあ!さっき稀琉お兄ちゃんと言ってた鬼ごっこしたい!」
「鬼ごっこか!ええよー!」
「やった!じゃあじゃんけんで鬼を決めよう!」
「ええよ〜」
「OK!」
「最初はグー!」
「……」
じゃんけんをする為に側に寄った3人を、ロスはベンチに肘を置いて眺めていた。そしてそれに参加していない人物に視線を向けて目を細めていた時だった。
「ほら!ロスも!」
「え?」
「じゃーんけーん」
突如稀琉に声をかけられたロスが視線を向けると、既にじゃんけんが始まりそうであった。
「おっと」
「ポイ!!」
咄嗟に肘をついていた手を出す。それを見た輝太は周りを見てから再度ロスを見た。
「ロスお兄ちゃんが鬼だね!」
楽しそうに輝太はそう答えた。ロス以外の3人はチョキを出していた。一方、ロスの方は咄嗟に出された手は開かれており、パーを出しているように見えた。
「ロスが鬼かー!」
「え?マジ?」
聞き返すロスをよそに稀琉は「ロスは足早そうだねー!」と楽しそうにしている。
「普段ゆったりしているイメージやからなぁ。楽しみやんな!」
「えー、聞いてるー?」
稀琉同様に準備運動をしつつ、こどもの様な表情を浮かべる麗弥に返すも、聞こえていないらしい。極め付けには「手加減しなくていいからね!」とキラキラとした表情で言ってくる輝太に流石のロスも何も言えなくなった。再度横目でクロムの様子を見たロスは少し考えた後、上半身を起こした。
「仕方ねぇな〜。…この俺を鬼にしたんだ。一瞬で片をつけてやるよ」
「なぁ?麗弥」と準備運動をし、背伸びをしたロスは麗弥を見て、ニヤリと笑った。
ーーゾクッ
「!?」
背中に走った寒気に驚いた麗弥がロスを見ると目を細めて笑っている。その笑顔に何処かゾッとするが、それに気付いていない輝太は「じゃあ10秒数えるねー!」と、走りながらカウントダウンを始めている。再度、ロスを見ると舌舐めずりをしていた。
(なんや今の…。笑うているだけやのに…)
感じた寒気に疑問を覚える。少し遠くからは輝太の「はーち、なーな、ろーくーー…」というカウントダウンが聞こえてきた。そうこうしているうちにカウントダウンは0へ近づいていく。普段と変わらないロスに困惑しながらも踵を返した。
(きっと風が冷たいから寒気がしただけやよな!あんまロスと任務が一緒になった事があらへんから実力もよく分からへんしええ機会や!遊びながら見させて貰うで)
残り5秒から麗弥も走り出す。周りを見ると、稀琉は結構離れた位置まで走っており、輝太もそれなりに離れていた。思ったよりも本気で逃げている稀琉に続いて走り出す。ーー先に言っておくと決して麗弥は足が遅いわけではない。日々、命のやり取りをしている為、寧ろ一般的に見れば比較するまでもない程である。それは魔物とやり合えるクロムには及ばないにしても近しい実力があった。
「ーーぜーろ!」
輝太のその声が聞こえた瞬間、横目でロスの様子を見る。
(!?)
しかし、その姿は既にそこにはなかった。「何処に行ったんや!?」と麗弥の頭によぎった瞬間であった。
「ーーはい、捕まえた〜」
「へっ!?」
眼帯をつけている右側からロスの声が聞こえたのと同時に肩を叩かれる。振り向くとそこには涼しい顔をしたロスが微笑していた。
(えええぇぇ!?いつのまに!?確かに眼帯をつけている右側は死角になりがちやけど…それにしたって一瞬過ぎへん!?」
驚きを隠せない麗弥を嘲笑うかのように「まだまだ修行が足らねぇなー?」と飄々と返す。
「……」
その様子を一瞥したクロムは溜め息をつく。
「少しとはいえ、何、本気出してんだか。ガキかよ」
クロムはそう言うものの、常人では見ることも叶わない速度が出ていた。それを証拠に稀琉も「え!?よく見えなかったんだけど」と唖然としていた。
「わー!ロスお兄ちゃん凄い!!早ーい!!
「にゃはは!すげぇだろ〜」
はしゃぐ輝太とは対照的に、麗弥と稀琉は驚愕していた。
(いくら早い言うてもこんなんありなん?訳分からん位、早いやんか…)
(全然見えなかったんだけど…。目を離した覚えはないのに…。どうやって動いてたんだろ)
稀琉も麗弥同様でロスの事を知ろうと実力を見ようと、ロスの様子を観察していた。しかし、2人ともそれ以上、考える間はなかった。
「これで鬼は変わるんだよな?」
「そうだよ!次は麗弥お兄ちゃんが鬼!」
「じゃあ、またカウントダウンしてくれよ、輝太」
「いいよ!じゅーう、きゅーうーー」
「「………」」
(なんだろ…。なんか秘密にされてる?)
(まるで「これ以上は教えへんで」って言われているみたいや)
思わず稀琉と麗弥は顔を見合わせた。
「………クスッ」
「「!」」
顔を見合わせている2人を見ると、口元に人差し指を当てて微笑した。まるで「シー。ナイショ」と、それ以上考える間を与えないと言わんばかりに目を細めて笑う。
「……」
何故かそれ以上、詮索してはならないと感じ、頷く。そんな2人の様子に満足そうにすると、麗弥の肩を叩いてから身を翻す。違和感を感じたが、輝太に「ほらー!早くしようよー!!」と言われ、遊びに戻らずを得なかった。
クロムが来るのが最後であることを知らない輝太はキラキラとした表情をしていた。
「フフッ。良かったね、輝太」
チラリとクロムの方を見つつ、稀琉もそれを悟られないように輝太に笑顔を向けた。
「うん!」
「ほな何して遊ぶ?」
麗弥も輝太の目線に視線を合わせつつ、遊びを提案する。余程嬉しいのか輝太は宝石のような瞳を向けていた。まるで太陽光を反射させているような、純粋無垢という輝いが外に流れ出ていた。
「じゃあ、じゃあ!さっき稀琉お兄ちゃんと言ってた鬼ごっこしたい!」
「鬼ごっこか!ええよー!」
「やった!じゃあじゃんけんで鬼を決めよう!」
「ええよ〜」
「OK!」
「最初はグー!」
「……」
じゃんけんをする為に側に寄った3人を、ロスはベンチに肘を置いて眺めていた。そしてそれに参加していない人物に視線を向けて目を細めていた時だった。
「ほら!ロスも!」
「え?」
「じゃーんけーん」
突如稀琉に声をかけられたロスが視線を向けると、既にじゃんけんが始まりそうであった。
「おっと」
「ポイ!!」
咄嗟に肘をついていた手を出す。それを見た輝太は周りを見てから再度ロスを見た。
「ロスお兄ちゃんが鬼だね!」
楽しそうに輝太はそう答えた。ロス以外の3人はチョキを出していた。一方、ロスの方は咄嗟に出された手は開かれており、パーを出しているように見えた。
「ロスが鬼かー!」
「え?マジ?」
聞き返すロスをよそに稀琉は「ロスは足早そうだねー!」と楽しそうにしている。
「普段ゆったりしているイメージやからなぁ。楽しみやんな!」
「えー、聞いてるー?」
稀琉同様に準備運動をしつつ、こどもの様な表情を浮かべる麗弥に返すも、聞こえていないらしい。極め付けには「手加減しなくていいからね!」とキラキラとした表情で言ってくる輝太に流石のロスも何も言えなくなった。再度横目でクロムの様子を見たロスは少し考えた後、上半身を起こした。
「仕方ねぇな〜。…この俺を鬼にしたんだ。一瞬で片をつけてやるよ」
「なぁ?麗弥」と準備運動をし、背伸びをしたロスは麗弥を見て、ニヤリと笑った。
ーーゾクッ
「!?」
背中に走った寒気に驚いた麗弥がロスを見ると目を細めて笑っている。その笑顔に何処かゾッとするが、それに気付いていない輝太は「じゃあ10秒数えるねー!」と、走りながらカウントダウンを始めている。再度、ロスを見ると舌舐めずりをしていた。
(なんや今の…。笑うているだけやのに…)
感じた寒気に疑問を覚える。少し遠くからは輝太の「はーち、なーな、ろーくーー…」というカウントダウンが聞こえてきた。そうこうしているうちにカウントダウンは0へ近づいていく。普段と変わらないロスに困惑しながらも踵を返した。
(きっと風が冷たいから寒気がしただけやよな!あんまロスと任務が一緒になった事があらへんから実力もよく分からへんしええ機会や!遊びながら見させて貰うで)
残り5秒から麗弥も走り出す。周りを見ると、稀琉は結構離れた位置まで走っており、輝太もそれなりに離れていた。思ったよりも本気で逃げている稀琉に続いて走り出す。ーー先に言っておくと決して麗弥は足が遅いわけではない。日々、命のやり取りをしている為、寧ろ一般的に見れば比較するまでもない程である。それは魔物とやり合えるクロムには及ばないにしても近しい実力があった。
「ーーぜーろ!」
輝太のその声が聞こえた瞬間、横目でロスの様子を見る。
(!?)
しかし、その姿は既にそこにはなかった。「何処に行ったんや!?」と麗弥の頭によぎった瞬間であった。
「ーーはい、捕まえた〜」
「へっ!?」
眼帯をつけている右側からロスの声が聞こえたのと同時に肩を叩かれる。振り向くとそこには涼しい顔をしたロスが微笑していた。
(えええぇぇ!?いつのまに!?確かに眼帯をつけている右側は死角になりがちやけど…それにしたって一瞬過ぎへん!?」
驚きを隠せない麗弥を嘲笑うかのように「まだまだ修行が足らねぇなー?」と飄々と返す。
「……」
その様子を一瞥したクロムは溜め息をつく。
「少しとはいえ、何、本気出してんだか。ガキかよ」
クロムはそう言うものの、常人では見ることも叶わない速度が出ていた。それを証拠に稀琉も「え!?よく見えなかったんだけど」と唖然としていた。
「わー!ロスお兄ちゃん凄い!!早ーい!!
「にゃはは!すげぇだろ〜」
はしゃぐ輝太とは対照的に、麗弥と稀琉は驚愕していた。
(いくら早い言うてもこんなんありなん?訳分からん位、早いやんか…)
(全然見えなかったんだけど…。目を離した覚えはないのに…。どうやって動いてたんだろ)
稀琉も麗弥同様でロスの事を知ろうと実力を見ようと、ロスの様子を観察していた。しかし、2人ともそれ以上、考える間はなかった。
「これで鬼は変わるんだよな?」
「そうだよ!次は麗弥お兄ちゃんが鬼!」
「じゃあ、またカウントダウンしてくれよ、輝太」
「いいよ!じゅーう、きゅーうーー」
「「………」」
(なんだろ…。なんか秘密にされてる?)
(まるで「これ以上は教えへんで」って言われているみたいや)
思わず稀琉と麗弥は顔を見合わせた。
「………クスッ」
「「!」」
顔を見合わせている2人を見ると、口元に人差し指を当てて微笑した。まるで「シー。ナイショ」と、それ以上考える間を与えないと言わんばかりに目を細めて笑う。
「……」
何故かそれ以上、詮索してはならないと感じ、頷く。そんな2人の様子に満足そうにすると、麗弥の肩を叩いてから身を翻す。違和感を感じたが、輝太に「ほらー!早くしようよー!!」と言われ、遊びに戻らずを得なかった。