Devil†Story
麗「ふー…まぁ、こんなもんやろ」
麗弥は刹那に頼まれた荷物を置きながらそう呟いた。
しっかし…毎日なんでこんなに暑いんだか…
思わず溜め息をついた。すると少し遠くから自分を呼ぶ声がした。
稀「麗弥ー!」
振り返ると後ろから稀琉が走ってきた。
麗「稀琉やん。どないしたん?」
稀「良いから来て、来て!大ニュース!大ニュース!」
稀琉は嬉しそうに麗弥の手を引っ張った。
麗「うわっ!ちょっ?落ち着きいや、稀琉!」
稀「はーやーくー!」
麗「わ、分かったって!」
麗弥は半ば引き摺られる様に、稀琉に応接室へ連れて行かれた。
ガチャッ
稀「刹那ー!連れてきたよー!」
応接室に着くなり、いきなり扉を開けた稀琉が元気よくそう言った。
麗「なんや、刹那まで絡んでん――…へっ?」
麗弥は部屋の中に入った瞬間、そこに居た人物に驚いた。
そこに居たのは……
「レイちゃん!」
麗弥の姉の澪奈だった。
麗「えっ?えぇぇ!?なっ、なんで姉さんがここにっ!?」
動揺が隠せない俺に姉さんは説明する。
澪「やっと退院出来たし、体調も良いから刹那さんに挨拶しに来たのよ。本当にいつも弟がお世話になってます」
ペコリと頭を下げる姉さん。
刹「いえいえ。こちらこそ」
刹那は得意の営業スマイル。爽やか風なオーナーを演じている。
…役者かいな。
その豹変ぶりに思わず呆れてしまう。
刹「折角来ていただいたんです。今日はゆっくりしていって下さい」
更に営業スマイルを繰り出した刹那がそう言った。
澪「そんな…なんか悪いですよ」
刹「気にしないで下さい。麗弥にはお世話になってますし、これからもお世話になりますからね」
姉さんにはただの微笑み、俺には黒い笑顔でそう言った。
こ、こいつこれを口実に働かせる気や…!
でもそれに全く気付かない姉さんは嬉しそうに話を続ける。
澪「そうですか?それならお言葉に甘えて…」
遠慮がちに言う姉さんを見て稀琉は明るく話しかけた。
稀「じゃあ!澪奈さん!オレも一緒にここ案内しますよっ!」
稀琉が笑顔でそう言った。稀琉とは昔一度だけ会ったことがあった。だから先程受付で会った時に気付くことができたのだ。
澪「ありがとう稀琉くん」
その時…ノックとほぼ同時に扉が開く音がした。
「おい刹那。こないだの報告書なんだが――」
何も知らないクロムが中に入ってきた。
刹「あぁご苦労様」
刹那に目を向ける時に姉さんに気付き手に持っていた報告書を反射的に隠すところは流石であった。
ク「……なんだ取り込み中だったか?」
相変わらず仏頂面でそう聞いてきた。
麗弥は刹那に頼まれた荷物を置きながらそう呟いた。
しっかし…毎日なんでこんなに暑いんだか…
思わず溜め息をついた。すると少し遠くから自分を呼ぶ声がした。
稀「麗弥ー!」
振り返ると後ろから稀琉が走ってきた。
麗「稀琉やん。どないしたん?」
稀「良いから来て、来て!大ニュース!大ニュース!」
稀琉は嬉しそうに麗弥の手を引っ張った。
麗「うわっ!ちょっ?落ち着きいや、稀琉!」
稀「はーやーくー!」
麗「わ、分かったって!」
麗弥は半ば引き摺られる様に、稀琉に応接室へ連れて行かれた。
ガチャッ
稀「刹那ー!連れてきたよー!」
応接室に着くなり、いきなり扉を開けた稀琉が元気よくそう言った。
麗「なんや、刹那まで絡んでん――…へっ?」
麗弥は部屋の中に入った瞬間、そこに居た人物に驚いた。
そこに居たのは……
「レイちゃん!」
麗弥の姉の澪奈だった。
麗「えっ?えぇぇ!?なっ、なんで姉さんがここにっ!?」
動揺が隠せない俺に姉さんは説明する。
澪「やっと退院出来たし、体調も良いから刹那さんに挨拶しに来たのよ。本当にいつも弟がお世話になってます」
ペコリと頭を下げる姉さん。
刹「いえいえ。こちらこそ」
刹那は得意の営業スマイル。爽やか風なオーナーを演じている。
…役者かいな。
その豹変ぶりに思わず呆れてしまう。
刹「折角来ていただいたんです。今日はゆっくりしていって下さい」
更に営業スマイルを繰り出した刹那がそう言った。
澪「そんな…なんか悪いですよ」
刹「気にしないで下さい。麗弥にはお世話になってますし、これからもお世話になりますからね」
姉さんにはただの微笑み、俺には黒い笑顔でそう言った。
こ、こいつこれを口実に働かせる気や…!
でもそれに全く気付かない姉さんは嬉しそうに話を続ける。
澪「そうですか?それならお言葉に甘えて…」
遠慮がちに言う姉さんを見て稀琉は明るく話しかけた。
稀「じゃあ!澪奈さん!オレも一緒にここ案内しますよっ!」
稀琉が笑顔でそう言った。稀琉とは昔一度だけ会ったことがあった。だから先程受付で会った時に気付くことができたのだ。
澪「ありがとう稀琉くん」
その時…ノックとほぼ同時に扉が開く音がした。
「おい刹那。こないだの報告書なんだが――」
何も知らないクロムが中に入ってきた。
刹「あぁご苦労様」
刹那に目を向ける時に姉さんに気付き手に持っていた報告書を反射的に隠すところは流石であった。
ク「……なんだ取り込み中だったか?」
相変わらず仏頂面でそう聞いてきた。