Devil†Story
―麗弥 Side―

澪「レイちゃん!」

姉さんの声が響いたのと同時に俺の首、目掛けて鉄爪が降り下ろされた…はずだった。

麗「……!」

しかし、爪と爪の間に挟まれる形で首に鉄爪が突き刺さることはなかった。

しかし、この状態では動けない。

なんだ…?

殺したいんじゃ…ないのか?

俺が奴を見ると、気味の悪い笑みで奴はニタリと笑った。

ゾクッ

久々に感じた寒気だった。
――ドクンッ

麗「グッ…!」

クソ…!

こんな…時に…!

苦しむ麗弥を見ながら、醜鬼は更に笑う。

醜「ククッ…麗弥ァ。随分我慢してるようだなァ?」
麗「ハァ…ハァ…!」

動けはしないが、胸に手をやり、服を握りしめる。

それを見た醜鬼は、左手を足の方に持っていき、仕込んでいたであろう隠しナイフで左腕を切りつけた。

麗「!?」

稀「なっ…!あの人…何やって…」

ロ(まさか……)

稀琉達が見ている前で、醜鬼は麗弥の眼帯の紐を切った。

麗「ッ…」

醜「…なァ、麗弥?オマエをこんな化物に変えた…この血をまたここから入れたら…オマエはどーなるかな?」

麗「!?」

そう言って右目を指す、男の言葉に驚きのあまり目を見開く。そんなことしたら…!

只でさえ、必死に力を抑えているのに、あの時よりも強くなっているであろう血を入れられたら…抑えきれなくなる。

麗「ッ…!」

素早く辺りを見ると、手を伸ばせば届くような距離に銃が落ちていた。

右手でその銃を取ろうと、伸ばした時だった。

ザクッ!

麗「うああぁ!」

稀「麗弥!!!」

澪「レイちゃん!!」

右腕を鉄爪で突き刺された。

醜「駄目だぜェ、麗弥ァ?抗っちゃよ」

麗「うっ…あ…!」

顔を歪める俺とは対照に醜鬼はニタリと笑い、突き刺していた鉄爪を抜いた。

醜「さァ、お楽しみの始まり、始まり♪」

スッと血が流れている方の手を上に上げた。

稀「っ…!ロスっ…!」

すがるようにロスを見る稀琉。

ロ「いや、ダメだ…」

ロスが静かに呟く。

稀「なんでっ?」

理由が分からない稀琉にロスは少し眉をひそめて答える。

ロ「今、あいつを殺して止めるのは簡単だけど…そうすると麗弥にあいつの血が大量にかかる…。どのみち、変わらなくなる」

稀「そんなっ…!」

稀琉が悲痛な声を出した。
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