Devil†Story
ヘ「俺はどうなるんですか?噛んだのは謝りますから離して下さい…!ほら、血も出てな――」

ツゥと噛んだ傷口から血が滴り落ちた。

それを見た、クロムの目は更に冷たくなった。

ちょっ…!

これ完全に死亡フラグぅぅぅ!!

嫌だぁぁ、死にたくないぃぃ!!!

クローディアとヤナの呪いが解けてハッピーエンドなのに俺だけ死亡のバッドエンドなんて嫌だぁぁぁ!!

えっ?尊い犠牲だって?

ふざけんなぁぁ!

ヘ「ごっ、ごめんなさいぃぃ!あの時は必死だったんです!お願いだから、離してぇぇ!」


ヘルは殺されると半ば諦めつつも、体をクネクネと動かして逃げようと試みた。

ク「………」

パッとクロムは手を離した。

ヘ「ぎゃあああ!頼みますから、殺さないで――って、アレ?」

ヘルは自由の身になって驚いていた。

ク「おら、さっさと、飼い主んとこ帰んな」

クロムはさして気にしていないように、そう言い捨てた。

ヘ「な…何もしないのか?」

ク「なんかして欲しいのか?」

ヘ「い、いや、滅相もない!だけど、噛んだのに…」
ク「お前みたいな、クネクネした奴に噛まれたってなんてことねーよ」

ヘ「でっ、でも、血も出てるし、さっき噛んだ時の目が冷たく……」

ク「ごちゃごちゃ、うるせーなぁ…。そこまで、言うなら真っ二つにして、てめえの尻、拝まして……」

ヘ「大丈夫です!結構です!!間に合ってます!自分で見れます!!じゃあ、さよなら!」

ヘルはそう言うとそそくさとクローディアの体に巻き付いた。

ヘ「ディア〜!アイツ、おっかねぇよ〜!」

体に巻き付くなり、ヘルは弱音を吐いた。

クロ「ヘル!良かった!解放して貰えたんだね!」

クローディアは優しくヘルを撫でた。

ヘ「マジで怖かった〜!」
ロ「おやぁ、クロムくん。随分、あっさり許すんだねぇ。やっぱり、動物には優しいのかなぁ?」

ロスが小馬鹿にしたようにクロムに言った。

ク「別に…。蛇なんていたぶったって仕方ねぇし」

噛まれた傷口から血を吸い、その血をペッと吐き出しながらクロムは答えた。

その時、ヤナがロスに話し掛けた。

ヤ「えっと……」

ロ「ロス」

名前が分からず、言葉につまるヤナにロスは名乗った。

ヤ「あぁ、ロスね。俺はヤナ。…まさか、悪魔に助けられるなんて…思ってもなかった。助かった」

ロ「別にー?気まぐれだぜー?」

ヤナとロスが、話していると……

クロ「あ、あの」

ク「あぁ?」

クローディアがクロムに話し掛けた。
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