Devil†Story
あっ…オレ笑ってた?

あんなに不安だったのに…

「アハハ。なんだよ稀琉、気付かなかったの?」

ロスは笑いながら、そう言った。

「なんだよ、元気じゃねぇか」

「安心したんだろ?俺等が気味悪がんなかったからさ」

「なんだ、まだ気にしてやがったのか」

クロムがため息をつきながら、聞くと稀琉は「だ、だって…」と口ごもった。


「だからさ、稀琉。俺等はそんなこと気にしないって。――なぁ?麗弥?」

「!!!」

ロスの発言に稀琉は「えっ?」とロスを見た。

ロスの言葉に、扉から麗弥が入ってきた。

「――あっ、バレとった?」

苦笑いで、麗弥はロスに言った。

「気配がバレバレなんだよ、お前は。これで気付かないのは、刹那と稀琉くらいだぞ」

「いや、君達が動物並みに鋭いだけでしょ?」

「俺は普通の人間なんですー」と刹那は口を尖らせた。

「れ、麗弥……」

稀琉が少し不安そうに、麗弥を見た。

「堪忍なぁ、稀琉。盗み聞きするつもりは…なかったんやけど」

「悪趣味だな」

「クロムには言われたくあらへんよ!こっそり、刹那に聞くなんて」

「失礼な奴だ。こっそりじゃねぇ。堂々とだ」

「あっ、確かに。堂々と来たね」

刹那が納得したように言った。

「そーいう、意味やないんですけどぉぉぉ!?」

いつも通りの麗弥。クロムやロスはなんとなく、分かる。そういったのに受容がありそうだし、クロムにいたってはさっきの過去があったから。

でも………。

「……」

目を伏せて、黙っている稀琉に麗弥は笑いながら言った。

「――俺そんなん気にせんで?」

「!」

稀琉は顔を上げて、麗弥を見た。

麗弥は変わらず笑顔だ。

「そしたら、俺の方が気味悪いやん?俺、人間やないし。てか、俺かて傷が治るの早いで?」

「!そんな……」

そんな辛いことを、普通の笑顔で言う麗弥。…本当、麗弥は…強くなったな……。

すると、クロムがダルそうに呟いた。
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