Devil†Story
「まぁ、いい…テメェは殺す」

立ち上がったクロムの頬は真っ赤だ。

麗弥は慌てて謝った。

「ちょっ…!待ってゴメ――「問答無用」

ニヤリッと口を吊り上げて笑うクロムは剣を取り出した。

「ひぃ〜!助けてー!」

「ぶっ殺す!!」

クロムは麗弥に向かって剣を降り下げた。

流石に鞘から抜いてはいないが、当たればかなり痛い。

麗弥は必死にそれを避けた。

「待て、この野郎!」

「ぎゃー!助けてー!」

「アハハ」

その様子を見たロスは笑っている。

稀琉も刹那もつられて笑ってしまった。

仲間との楽しい時間。

そのかけがえのない時間が稀琉は大好きだった。

もう失いたくない…そんな場所だった。

だからこそ、毎日闇に身を置いても戦ってきたのだ。

そんな稀琉達の様子を見る2つの影。

「マスター、あの場所です」

カフェの屋根に登ってその様子を見ていた長い金髪に青い目の綺麗な女性が傍らで立っている、同じ金髪に青い目の男に問いかけた。

「ふん…随分と楽しそうだな」

男は鼻で笑いながら笑っている稀琉を見る。

「今から行きますか?」

「いや…まだ良い。帰ったら作戦をたてる」

「…承知致しました。…マスター」

女性は感情の籠っていない目でそう言った。

「…精々楽しむんだね、キル。その偽りの時間を…お前が犯した“罪”の罰を受け、苦痛で歪むその瞬間まで」

そう言った男はニヤリッと笑った。

「!」

部屋で笑っていたロスが突然、窓の方を見た。

しかし、その時には2人の姿は消えていた。

「…………」

(この気配………)

ロスは真剣な表情で暫く窓の方を見ていた。

まるで、これから起こる悲劇を悟ったかのように。

そして、それから1週間の時が過ぎたある夜。

悲劇の歯車が静かに動き始める。
< 386 / 541 >

この作品をシェア

pagetop