Devil†Story
30分後、クロムとロスが稀琉の部屋に入ってきた。
ベッドには、複数の点滴をして全身が包帯だらけの稀琉が横になっている。
額には汗が滲んでいる。
どうやら怪我のせいで高熱を出しているようだ。
呼吸も浅い。
「クロム、ロス。それで…話って?」
「あぁ…。どうやら…また人間じゃないのが狙ってるらしい。で…それなら良いんだが…こいつがやられて助けた後、気を失う前にこいつこう言ったんだ。――兄さんってな」
「!!!」
クロムの言葉に刹那の嫌な予感は的中した。
「稀琉がそう言ったの!?」
「あぁ。確かに、容姿は似てたな」
「ッ…お兄さんか…ッ…」
刹那は滅多に見せない、焦りの表情を見せた。
「一体何者なんだよ、あいつ。魔界の植物を操ってたし。何より…普通の人間の気配とは全然違うし。それに稀琉に兄貴が居るなんて今まで聞いたことなかったぜ?」
「それに…かなり、こいつを怨んでいるみたいだな。しかも稀琉は抵抗所か…それを受け入れてた。一体何があった――」
クロムがそこまで言った時だった。
――ガチャ
「!」
麗弥が部屋の中に入ってきた。
「麗弥」
そして入って来るなり稀琉に駆け寄る。
「稀琉!!」
怪我まみれの稀琉を見て、麗弥は心配そうにしている。
「なんやねん、これは!稀琉が任務失敗したんか!?一体誰にこんなこと…」
「…素性は知らんが、多分兄貴だってよ、こいつの」
「!? 兄貴……!?」
クロムの言葉に麗弥はクロムに詰め寄った。
「だから俺は知らねぇよ。だが、刹那から連絡あってこいつを助けに行った時に気を失う前にこいつがそう言ったんだよ。確かに、そいつは金髪、青目で稀琉と容姿は似てたがな」
クロムの言葉に驚きを隠せない麗弥と刹那。
「まさか…生きとったんか…」
「……」
「刹那と麗弥は知ってるみたいだな。じゃあ、聞く。…稀琉は本当に人間か?」
「!!!」
2人はその言葉に言葉をつまらせた。
「いくらなんでも…この傷で生きてるのはおかしいし、何より……こいつの兄貴だっていうならあいつは得体がしれないな。化物にしか見えなかったぜ」
「血液型も正直普通じゃないだろ?」
「せやけど…!稀琉は人間や!」
人間ではないと言われて嫌だったのか、麗弥はそう言い返す。
「だったら答えろ。こいつに何があったのか」
「それは…」
2人が口を開こうとした時だった。
「まっ…て…!」
「!」
「稀琉!」
稀琉が少し体を起こしていた。
手術が終わって30分しか経っていない為、まだ昏睡状態でもおかしくないはずの稀琉がベッドの近くに立っていたクロムのコートを掴んだ。
傷が痛むのか、はたまた怪我で出た高熱のせいか、クロムのコートを掴む稀琉の手はあまりにも弱々しかった。
「稀琉」
「クロ…ム…お願…い…ちょ…っと…待って……。ちゃんと…オレ…言う…から…だから……もう…少しだ…け…待って…て…。お願い…だよ…刹那、麗…弥…。まだ…言わない…で…!」
今にも目は閉じそうになりながら、苦しそうに息を吐く稀琉に2人は「稀琉…」と名前を呼ぶことしかできなかった。
「……何をそんなに隠したいか分からんが…別にお前の過去に興味があって聞いてるんじゃない。あいつはこれからも隙があれば襲ってくるだろうからな。だから、素性が知りたいだけだ。別に誰から聞こうが俺には関係ない」
切り捨てるような言い方だが、それは“お前が起きれるようになるまで待っててやる”と言う意味が込められていた。
「あ…りが…と…クロム…うぅ…!」
安心したような表情を浮かべたのも束の間、稀琉は突然、胸を押さえて苦しみだした。
「稀琉!」
「どうしたんだ、稀琉!?」
「うぅ…!あぁ…!!」
よほど苦しいのか、稀琉は暴れ始めた。
そのせいで点滴が外れた。
「稀琉!?落ち着きぃや!」
「駄目だ、完全に錯乱してる!麗弥!そこの俺のバッグに鎮痛剤と鎮静剤があるから、注射器と一緒に持ってきて!」
暴れる稀琉を押さえながら、刹那は叫んだ。
「分かった!」
麗弥は急いで、頼まれた物を持ってきた。
「注射するから押さえてて!」
「了解!稀琉!今、薬打つからもう少し頑張りぃや!」
「う…ぐ…ッ…ああぁ…!」
しかし、麗弥が強く押さえているのにも関わらず、稀琉は暴れ続ける。
「ハァッ…!あぁ…!あ…つい……!」
今は秋の始め。肌寒くなってきている為、暑さなど感じるわけがないのに稀琉は「暑い、暑い」とうなされている。
体もとても熱く、かなりの高熱のようだ。
「高熱のせいか…!?」
「でも、さっきまでこんなんやあらへんかったんに…。とにかく、このままやったら稀琉が死んでまうわ!」
「……何処、押さえてればいい?」
「!」
ロスがスッと近付いて麗弥に問うた。
「麗弥が押さえきれないとこを押さえるよ。俺、力強いし。俺だけで充分」
確かにロスは悪魔なのでかなり力が強い。人間に化けていても、並みの力量ではなかった。ロスが力が強いことは知っているので麗弥は頷いた。
「お…おおきに、ロス!せやったら足、押さえといてぇや!俺は上半身押さえるから!」
「了解」
ロスは「ゴメンな、稀琉」と言いながら足を押さえた。
「う…ぐぅ…ああ…っ…!」
稀琉はまだ苦しそうに身を捩ってはいるが、ロスと麗弥が押さえているので注射はできそうだった。
「そのまま押さえててね!」
刹那はそう言うと、稀琉の腕に注射をし、点滴をし直した。
これで暴れなくはなったが、まだ苦しそうだ。
「う……ぐ…あぁ………!あ…つい……!ゴ…メン…な…さ…い……ゴメン…なさ……」
高熱でうなされているのか、稀琉は熱いという言葉と謝罪の言葉をずっと呟いていた。
ベッドには、複数の点滴をして全身が包帯だらけの稀琉が横になっている。
額には汗が滲んでいる。
どうやら怪我のせいで高熱を出しているようだ。
呼吸も浅い。
「クロム、ロス。それで…話って?」
「あぁ…。どうやら…また人間じゃないのが狙ってるらしい。で…それなら良いんだが…こいつがやられて助けた後、気を失う前にこいつこう言ったんだ。――兄さんってな」
「!!!」
クロムの言葉に刹那の嫌な予感は的中した。
「稀琉がそう言ったの!?」
「あぁ。確かに、容姿は似てたな」
「ッ…お兄さんか…ッ…」
刹那は滅多に見せない、焦りの表情を見せた。
「一体何者なんだよ、あいつ。魔界の植物を操ってたし。何より…普通の人間の気配とは全然違うし。それに稀琉に兄貴が居るなんて今まで聞いたことなかったぜ?」
「それに…かなり、こいつを怨んでいるみたいだな。しかも稀琉は抵抗所か…それを受け入れてた。一体何があった――」
クロムがそこまで言った時だった。
――ガチャ
「!」
麗弥が部屋の中に入ってきた。
「麗弥」
そして入って来るなり稀琉に駆け寄る。
「稀琉!!」
怪我まみれの稀琉を見て、麗弥は心配そうにしている。
「なんやねん、これは!稀琉が任務失敗したんか!?一体誰にこんなこと…」
「…素性は知らんが、多分兄貴だってよ、こいつの」
「!? 兄貴……!?」
クロムの言葉に麗弥はクロムに詰め寄った。
「だから俺は知らねぇよ。だが、刹那から連絡あってこいつを助けに行った時に気を失う前にこいつがそう言ったんだよ。確かに、そいつは金髪、青目で稀琉と容姿は似てたがな」
クロムの言葉に驚きを隠せない麗弥と刹那。
「まさか…生きとったんか…」
「……」
「刹那と麗弥は知ってるみたいだな。じゃあ、聞く。…稀琉は本当に人間か?」
「!!!」
2人はその言葉に言葉をつまらせた。
「いくらなんでも…この傷で生きてるのはおかしいし、何より……こいつの兄貴だっていうならあいつは得体がしれないな。化物にしか見えなかったぜ」
「血液型も正直普通じゃないだろ?」
「せやけど…!稀琉は人間や!」
人間ではないと言われて嫌だったのか、麗弥はそう言い返す。
「だったら答えろ。こいつに何があったのか」
「それは…」
2人が口を開こうとした時だった。
「まっ…て…!」
「!」
「稀琉!」
稀琉が少し体を起こしていた。
手術が終わって30分しか経っていない為、まだ昏睡状態でもおかしくないはずの稀琉がベッドの近くに立っていたクロムのコートを掴んだ。
傷が痛むのか、はたまた怪我で出た高熱のせいか、クロムのコートを掴む稀琉の手はあまりにも弱々しかった。
「稀琉」
「クロ…ム…お願…い…ちょ…っと…待って……。ちゃんと…オレ…言う…から…だから……もう…少しだ…け…待って…て…。お願い…だよ…刹那、麗…弥…。まだ…言わない…で…!」
今にも目は閉じそうになりながら、苦しそうに息を吐く稀琉に2人は「稀琉…」と名前を呼ぶことしかできなかった。
「……何をそんなに隠したいか分からんが…別にお前の過去に興味があって聞いてるんじゃない。あいつはこれからも隙があれば襲ってくるだろうからな。だから、素性が知りたいだけだ。別に誰から聞こうが俺には関係ない」
切り捨てるような言い方だが、それは“お前が起きれるようになるまで待っててやる”と言う意味が込められていた。
「あ…りが…と…クロム…うぅ…!」
安心したような表情を浮かべたのも束の間、稀琉は突然、胸を押さえて苦しみだした。
「稀琉!」
「どうしたんだ、稀琉!?」
「うぅ…!あぁ…!!」
よほど苦しいのか、稀琉は暴れ始めた。
そのせいで点滴が外れた。
「稀琉!?落ち着きぃや!」
「駄目だ、完全に錯乱してる!麗弥!そこの俺のバッグに鎮痛剤と鎮静剤があるから、注射器と一緒に持ってきて!」
暴れる稀琉を押さえながら、刹那は叫んだ。
「分かった!」
麗弥は急いで、頼まれた物を持ってきた。
「注射するから押さえてて!」
「了解!稀琉!今、薬打つからもう少し頑張りぃや!」
「う…ぐ…ッ…ああぁ…!」
しかし、麗弥が強く押さえているのにも関わらず、稀琉は暴れ続ける。
「ハァッ…!あぁ…!あ…つい……!」
今は秋の始め。肌寒くなってきている為、暑さなど感じるわけがないのに稀琉は「暑い、暑い」とうなされている。
体もとても熱く、かなりの高熱のようだ。
「高熱のせいか…!?」
「でも、さっきまでこんなんやあらへんかったんに…。とにかく、このままやったら稀琉が死んでまうわ!」
「……何処、押さえてればいい?」
「!」
ロスがスッと近付いて麗弥に問うた。
「麗弥が押さえきれないとこを押さえるよ。俺、力強いし。俺だけで充分」
確かにロスは悪魔なのでかなり力が強い。人間に化けていても、並みの力量ではなかった。ロスが力が強いことは知っているので麗弥は頷いた。
「お…おおきに、ロス!せやったら足、押さえといてぇや!俺は上半身押さえるから!」
「了解」
ロスは「ゴメンな、稀琉」と言いながら足を押さえた。
「う…ぐぅ…ああ…っ…!」
稀琉はまだ苦しそうに身を捩ってはいるが、ロスと麗弥が押さえているので注射はできそうだった。
「そのまま押さえててね!」
刹那はそう言うと、稀琉の腕に注射をし、点滴をし直した。
これで暴れなくはなったが、まだ苦しそうだ。
「う……ぐ…あぁ………!あ…つい……!ゴ…メン…な…さ…い……ゴメン…なさ……」
高熱でうなされているのか、稀琉は熱いという言葉と謝罪の言葉をずっと呟いていた。