Devil†Story
――5日後
相変わらず稀琉は目を覚まさない。
熱も一向に引いていないようだ。
「………」
そんな稀琉に麗弥と刹那は時間が許す限り看病を続けた。
今は麗弥が任務の為、刹那が1人で看病をしている。
あの後も、幾度となく稀琉は原因不明の熱のせいかうなされていた。
――ガチャ
「! クロム、ロス…」
入ってきたのはクロムとロスだった。
「調子はどうだ?」
「いや…全然良くなってないね…。まぁ、当たり前だけど……」
いまだに刹那は焦りを隠せないようだ。
苦しそうに息をしている、稀琉の頭を優しく撫でた。
「………刹那ってさ、正直稀琉にちょっと特別な思い入れしてるとこあるよな?」
「えっ?」
ロスの言葉に驚いていた刹那だったが、すぐにいつもと同じ表情になった。
「……そうかもね。まぁ、みんな平等に扱っているつもりだけど……やっぱり、1番初めの従業員の子だからね。全てを知ってるのもあるし、一緒にいる時間もここの誰よりも長いし…つい、ね」
水で手拭いを洗い、顔や手を拭きながら刹那は答えた。
「なんか意外とでっかいもん抱えてるみたいだしな〜」
「……うん。ここに居る子達は…何かしら抱えてるからね…。特に裏の子は」
「………」
刹那はそう言ってクロムの方を見た。
クロムは何も言わずにただ刹那を見ているだけだった。
「まぁねー」
ロスがそう言うとクロムはいつものように「……まっ、そんな事どーでも良いんだが…」と目を反らした。
「いつ頃、こいつは目ぇ覚めそうなんだ?」
「うーん……。まぁ、これは君達に言ったから良いんだけど…ほら、前に稀琉は傷が早く治る体質だって言ったでしょ?」
「あぁ」
「だから、酷い怪我だけど…本当はもう目を覚ましたって良いはずなのに……。熱も一向に引いていないんだ」
心配そうに、稀琉を見る刹那。
「相変わらずうなされているし…。まぁ、確かに精神的なダメージはあるとは思うけど、解熱剤、鎮痛剤、鎮静剤だって打ってる。血液型も特殊だからそれ以外の血液を使ってないのに………」
「……んっ?血液…?…もしかして」
「……なぁ」
何かを思い付いたロスにクロムが小声で話し掛けた。
「んっ?」
「まさか……俺の血を入れたから…それに反応してんのか?あいつの体特殊だから」
「…うん、そーかも。お前の血ってよりも俺の血にだな。前にも言った通り俺の血は強いからな」
「マジかよ。ってことは……」
「うん。目ぇ、覚まさないのは…そのせいかも」
「何こそこそ2人で話してるの?」
小声で話していた2人に刹那が聞いた。
「いや…この間は慌ただしかったから言わなかったんだが…稀琉に応急処置したって言ったろ?」
「あぁ、聞いたね。何もされてなかったし、俺も急いでたから気にしてなかったけど――………まさか!?」
刹那がバッとクロムの方を見た。
「あぁ。俺の血を稀琉に入れた」
「クロムの血ってことは…」
「あぁ。ロスの血も多少なりにも入ってるな」
「そういうことか……!」
稀琉の状態を理解したようで、刹那は額に手をついた。
「悪かった。特殊な体質だとは知ってたが、怪我が怪我だったし、くたばると思ってやった。余計な事をしたな」
「いや……良いんだ。君は悪くないよ。ありがとう」
眉をひそめながらも、刹那はそう言った。
「うっ…ぐ……!」
また稀琉が苦しみ始めた。
「稀琉っ!」
刹那はすぐに注射の用意をした。
「あ……う…!ゴメン…ッ…なさ…い…ッ…!」
そして、毎度の如く謝り続ける。
その目には涙が浮かんでいた。
“ゴメンなさい”…ね。
うなされている間、毎回何かに謝り続ける稀琉。
また、どんな罪を犯したかは知らないが自分の犯した罪を知ってる。
罪…か。
クロムは無意識に背中に手をやった。
そんなクロムの様子を知らない刹那は意識のない稀琉に呼びかける。
「大丈夫だよ、稀琉。今、注射するから――」
「いや、ちょっと待って」
注射をしようとした刹那をロスが止めた。
「何?」
「いや、それ打ってもさ。多分ずっと苦しめられると思うからさ。だから、傷も治ってきてるし俺の血を体内から出すよ。…ちょいと苦しいけどね」
稀琉の様子を見たロスがそう提案した。
確かにこの熱と苦しみの原因がロスの血なら…いくら鎮静剤、鎮痛剤、解熱剤を打とうと状況は打開されない。
「できるの?そんな事」
「俺を誰だと思ってんのよ。ほんのそこらの魔物や悪魔と一緒にしないでくれる?これくらいちょろいもんよ」
そう言ったロスはニッと尖った犬歯を見せながら笑った。
「そう…だね。分かった。やって貰える?」
刹那の問いに「あいよ」と答え、ロスは稀琉の胸の上に手をかざした。
相変わらず稀琉は目を覚まさない。
熱も一向に引いていないようだ。
「………」
そんな稀琉に麗弥と刹那は時間が許す限り看病を続けた。
今は麗弥が任務の為、刹那が1人で看病をしている。
あの後も、幾度となく稀琉は原因不明の熱のせいかうなされていた。
――ガチャ
「! クロム、ロス…」
入ってきたのはクロムとロスだった。
「調子はどうだ?」
「いや…全然良くなってないね…。まぁ、当たり前だけど……」
いまだに刹那は焦りを隠せないようだ。
苦しそうに息をしている、稀琉の頭を優しく撫でた。
「………刹那ってさ、正直稀琉にちょっと特別な思い入れしてるとこあるよな?」
「えっ?」
ロスの言葉に驚いていた刹那だったが、すぐにいつもと同じ表情になった。
「……そうかもね。まぁ、みんな平等に扱っているつもりだけど……やっぱり、1番初めの従業員の子だからね。全てを知ってるのもあるし、一緒にいる時間もここの誰よりも長いし…つい、ね」
水で手拭いを洗い、顔や手を拭きながら刹那は答えた。
「なんか意外とでっかいもん抱えてるみたいだしな〜」
「……うん。ここに居る子達は…何かしら抱えてるからね…。特に裏の子は」
「………」
刹那はそう言ってクロムの方を見た。
クロムは何も言わずにただ刹那を見ているだけだった。
「まぁねー」
ロスがそう言うとクロムはいつものように「……まっ、そんな事どーでも良いんだが…」と目を反らした。
「いつ頃、こいつは目ぇ覚めそうなんだ?」
「うーん……。まぁ、これは君達に言ったから良いんだけど…ほら、前に稀琉は傷が早く治る体質だって言ったでしょ?」
「あぁ」
「だから、酷い怪我だけど…本当はもう目を覚ましたって良いはずなのに……。熱も一向に引いていないんだ」
心配そうに、稀琉を見る刹那。
「相変わらずうなされているし…。まぁ、確かに精神的なダメージはあるとは思うけど、解熱剤、鎮痛剤、鎮静剤だって打ってる。血液型も特殊だからそれ以外の血液を使ってないのに………」
「……んっ?血液…?…もしかして」
「……なぁ」
何かを思い付いたロスにクロムが小声で話し掛けた。
「んっ?」
「まさか……俺の血を入れたから…それに反応してんのか?あいつの体特殊だから」
「…うん、そーかも。お前の血ってよりも俺の血にだな。前にも言った通り俺の血は強いからな」
「マジかよ。ってことは……」
「うん。目ぇ、覚まさないのは…そのせいかも」
「何こそこそ2人で話してるの?」
小声で話していた2人に刹那が聞いた。
「いや…この間は慌ただしかったから言わなかったんだが…稀琉に応急処置したって言ったろ?」
「あぁ、聞いたね。何もされてなかったし、俺も急いでたから気にしてなかったけど――………まさか!?」
刹那がバッとクロムの方を見た。
「あぁ。俺の血を稀琉に入れた」
「クロムの血ってことは…」
「あぁ。ロスの血も多少なりにも入ってるな」
「そういうことか……!」
稀琉の状態を理解したようで、刹那は額に手をついた。
「悪かった。特殊な体質だとは知ってたが、怪我が怪我だったし、くたばると思ってやった。余計な事をしたな」
「いや……良いんだ。君は悪くないよ。ありがとう」
眉をひそめながらも、刹那はそう言った。
「うっ…ぐ……!」
また稀琉が苦しみ始めた。
「稀琉っ!」
刹那はすぐに注射の用意をした。
「あ……う…!ゴメン…ッ…なさ…い…ッ…!」
そして、毎度の如く謝り続ける。
その目には涙が浮かんでいた。
“ゴメンなさい”…ね。
うなされている間、毎回何かに謝り続ける稀琉。
また、どんな罪を犯したかは知らないが自分の犯した罪を知ってる。
罪…か。
クロムは無意識に背中に手をやった。
そんなクロムの様子を知らない刹那は意識のない稀琉に呼びかける。
「大丈夫だよ、稀琉。今、注射するから――」
「いや、ちょっと待って」
注射をしようとした刹那をロスが止めた。
「何?」
「いや、それ打ってもさ。多分ずっと苦しめられると思うからさ。だから、傷も治ってきてるし俺の血を体内から出すよ。…ちょいと苦しいけどね」
稀琉の様子を見たロスがそう提案した。
確かにこの熱と苦しみの原因がロスの血なら…いくら鎮静剤、鎮痛剤、解熱剤を打とうと状況は打開されない。
「できるの?そんな事」
「俺を誰だと思ってんのよ。ほんのそこらの魔物や悪魔と一緒にしないでくれる?これくらいちょろいもんよ」
そう言ったロスはニッと尖った犬歯を見せながら笑った。
「そう…だね。分かった。やって貰える?」
刹那の問いに「あいよ」と答え、ロスは稀琉の胸の上に手をかざした。