Devil†Story
--「……そこで、オレは倒れた。…いつもの高熱だったんだ」


胸の傷が……いや、胸が痛むのか胸の辺りの服をギュッと掴む稀琉。


「小さい頃、体弱かったんだな」


ロスがそう言うと、コクンとだけ頷く。


「今は何もないように見えるがな」



「それは……体が慣れただけだよ」


「慣れた?」

クロムが聞き返すと表情を曇らせながら力なく頷いた。


「その後だった……。オレが自分のことを知ったのは……。--あの惨劇が起きたのは…」


カタカタと震える稀琉がまた口を開いて語り出した。










--「う……ん」


僕は目を覚ました。


ここは……いつも熱が出たときに来るお部屋だ……。

他の部屋とは違う、なんだか神聖な感じがする部屋。


しかし、禍々しい雰囲気のある部屋。


何故なら、部屋は殺風景で真ん中に水晶の柱のような置いてあり、奥には何かを張りつける為のような器具が設置してあるからだ。

またいつもここには鬼灯が飾ってあり、普段は絶対に入ることのない部屋だった。

(父さんと母さんは僕を“鬼の間”へって言ってた……。ここは鬼の間って言うのかな……?)

額に手をやりながらキルは考える。


もう熱も頭の重みも消えていた。


(…父さんと母さん…兄さん……は何処だろ?)

すくっと立ったキルは部屋を後にした。

--ポウ


誰も居なくなった部屋で水晶の柱が蛍火のように光った。



「何処だろ?」

そんなこととはつい知らず、キルは屋敷内を探し初める。

(居間かな…?早く元気になったところ見せないと…心配させちゃう)

せっかく仲良くなれそうなのに…。

また僕のせいで離れ離れになったら…いやだ。

そう思いながら暗い屋敷内を探し回った。


あちこちを探し回り、やっと明かりのついた部屋を見付けた。

(あっ、ここかな?)

そこは両親の部屋。

キルの家は部屋は全て障子で、古風や家のスタイルを保ってきている家だった。

両親に至っては、電気があるのにも関わらず夜は蝋燭を行灯に入れて明かりにしている程だった。

なので、他の部屋は暗くとも人がいる部屋にはぼんやりと灯りが灯る。

その影に見えるのは3人。

(みんないるんだ…!)

キルが襖に手をかけようとした時だった。


「だから…それは決定事項だ」

「!」


中から父親の静かな声が聞こえた。
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