Devil†Story
ーーその頃、BC 談話室では刹那が稀琉の怪我の手当てを終えたところだった。
クローの翼にも包帯が丁寧に巻かれていた。
刹那の肩は本当にかすっていただけで血が少し滲む程度であった為、大事には至ってなかった。
クローにクロムが「本当によくやった。暫くは休んでろ」と言いながら項垂れるクローを腕に止まらせてから肩に止まらせてやった。
足は怪我をしていなかったのでクローは止まることが出来た。
「…で。本題だが」
クローの怪我を労るように体を撫でながら口を開く。
「連れ去られたのは、ここから1km弱の普通の住宅街。出た直後にワープみたいなことをしなかったとこを見ると…決まった場所にしか移動出来ないんだろう」
いつもとは違い優しくクローを撫でながら…しかし鋭い口調で言い放つ。
「ってことを踏まえると…移動範囲は限られるってことだな。前に麗弥がその2人に襲われた場所からカフェまでは移動できるってことだから…まぁ、多目に見積もって移動できるのはそこから7~10kmだろうな」
ロスが説明している間にクローとクロムが何かを話していた。
そして話終わるのと同時にクロムがまた話をする。
「クローが言うには…ここから北西あたりの8km圏内で麗弥の気配が消えたようだ」
「そこまで分かってたら後は乗り込む感じだな」
「麗弥の怪我の程度…そして、敵のことを考えると…タイムリミットは……」
「10時間…ってとこだな。それ以上かかると麗弥は殺される可能性が高い」
ピッと人差し指を立てたロスが真剣に答えた。
これは道中2人が場所の確認が出来たあとに、早く動くために戻ってからの作戦を立てやすいようになんと言うか考えてたものを伝えたものだった。
クローは動物でそういったものに敏感なのでクローがこの場所で消えたと言えば疑うこともなくロスが探った場所を言えるし、1番無難であろう伝えかたであった。
予想通り刹那と稀琉は頷いた。
「そうだね…。じゃあ、その場所に、行ってみてくれる?」
「面倒だが…仕方ない。いいだろう」
クロムは本当に面倒くさそうに言った。
「んじゃ今すぐに…」
ロスがそう言おうとした瞬間、今まで口を閉じていた稀琉が慌てて口を開いた。
「あっそのことなんだけど…。少しだけ休んでからでもいいかな?」
「……?」
クロムが少し目を細めながら稀琉を見た。そんな稀琉に刹那が「どうして?」と尋ねた。
「傷…治りやすいんだけど出血が激しくて…少しだけ体を休めてから万全な状態で行きたいんだ」
「それなら先に俺らが行って…」
「オレ自身のことだから…オレも行きたいんだ。クローの言葉がわかるクロムが居ないと…オレはそこに行けないからさ…。だから、30分で良いから休ませて欲しい。2人も少しやすんだ方が言いと思うしさ」
稀琉は肩を押さえたまま困ったように笑いながら答えた。
…なんだ?
クロムは違和感を感じた。
確かに肩からの出血は酷く、いくら傷慣れしている俺等でも万全な状態ではないのは分かるが…。
あの稀琉が…麗弥の命がかかっているのに自分のことを考えるだろうか…?
いつもなら例え刹那に休めと言われても断固拒否するであろう稀琉がそう言うのは違和感があった。
まぁ確かに…無理されると面倒だが…。
「まぁそうだよね…。じゃあ、30分後に向かって貰うことにしよう」
刹那が稀琉の傷を心配しそう言った。
「まーすぐには殺されないだろうしなー。わかったよ」
ロスもそれでも大丈夫だと考えたのか了解を出した。
ロスが言うなら大丈夫だろうか…。
「……」
クロムは黙って稀琉を見た。この顔面蒼白は…傷のせいかそれとも……。それが分かるのは稀琉しかいない。
「じゃっ、30分後に出発しますか」
「ごめんね。よろしく」
こうして各部屋に戻る3人。
稀琉は部屋に戻ってすぐに上着のポケットに入れられた紙を見た。
「……」
ーー1人で、ね
先程言われた言葉が脳裏に浮かぶ。
「……ごめんねクロム、ロス。でも…」
これはオレが招いたことだから…。
「…今行くよ。麗弥」
稀琉はギュッと傷口を押さえてから窓から外へ出た。
1人でこの問題を解決するために。
クローの翼にも包帯が丁寧に巻かれていた。
刹那の肩は本当にかすっていただけで血が少し滲む程度であった為、大事には至ってなかった。
クローにクロムが「本当によくやった。暫くは休んでろ」と言いながら項垂れるクローを腕に止まらせてから肩に止まらせてやった。
足は怪我をしていなかったのでクローは止まることが出来た。
「…で。本題だが」
クローの怪我を労るように体を撫でながら口を開く。
「連れ去られたのは、ここから1km弱の普通の住宅街。出た直後にワープみたいなことをしなかったとこを見ると…決まった場所にしか移動出来ないんだろう」
いつもとは違い優しくクローを撫でながら…しかし鋭い口調で言い放つ。
「ってことを踏まえると…移動範囲は限られるってことだな。前に麗弥がその2人に襲われた場所からカフェまでは移動できるってことだから…まぁ、多目に見積もって移動できるのはそこから7~10kmだろうな」
ロスが説明している間にクローとクロムが何かを話していた。
そして話終わるのと同時にクロムがまた話をする。
「クローが言うには…ここから北西あたりの8km圏内で麗弥の気配が消えたようだ」
「そこまで分かってたら後は乗り込む感じだな」
「麗弥の怪我の程度…そして、敵のことを考えると…タイムリミットは……」
「10時間…ってとこだな。それ以上かかると麗弥は殺される可能性が高い」
ピッと人差し指を立てたロスが真剣に答えた。
これは道中2人が場所の確認が出来たあとに、早く動くために戻ってからの作戦を立てやすいようになんと言うか考えてたものを伝えたものだった。
クローは動物でそういったものに敏感なのでクローがこの場所で消えたと言えば疑うこともなくロスが探った場所を言えるし、1番無難であろう伝えかたであった。
予想通り刹那と稀琉は頷いた。
「そうだね…。じゃあ、その場所に、行ってみてくれる?」
「面倒だが…仕方ない。いいだろう」
クロムは本当に面倒くさそうに言った。
「んじゃ今すぐに…」
ロスがそう言おうとした瞬間、今まで口を閉じていた稀琉が慌てて口を開いた。
「あっそのことなんだけど…。少しだけ休んでからでもいいかな?」
「……?」
クロムが少し目を細めながら稀琉を見た。そんな稀琉に刹那が「どうして?」と尋ねた。
「傷…治りやすいんだけど出血が激しくて…少しだけ体を休めてから万全な状態で行きたいんだ」
「それなら先に俺らが行って…」
「オレ自身のことだから…オレも行きたいんだ。クローの言葉がわかるクロムが居ないと…オレはそこに行けないからさ…。だから、30分で良いから休ませて欲しい。2人も少しやすんだ方が言いと思うしさ」
稀琉は肩を押さえたまま困ったように笑いながら答えた。
…なんだ?
クロムは違和感を感じた。
確かに肩からの出血は酷く、いくら傷慣れしている俺等でも万全な状態ではないのは分かるが…。
あの稀琉が…麗弥の命がかかっているのに自分のことを考えるだろうか…?
いつもなら例え刹那に休めと言われても断固拒否するであろう稀琉がそう言うのは違和感があった。
まぁ確かに…無理されると面倒だが…。
「まぁそうだよね…。じゃあ、30分後に向かって貰うことにしよう」
刹那が稀琉の傷を心配しそう言った。
「まーすぐには殺されないだろうしなー。わかったよ」
ロスもそれでも大丈夫だと考えたのか了解を出した。
ロスが言うなら大丈夫だろうか…。
「……」
クロムは黙って稀琉を見た。この顔面蒼白は…傷のせいかそれとも……。それが分かるのは稀琉しかいない。
「じゃっ、30分後に出発しますか」
「ごめんね。よろしく」
こうして各部屋に戻る3人。
稀琉は部屋に戻ってすぐに上着のポケットに入れられた紙を見た。
「……」
ーー1人で、ね
先程言われた言葉が脳裏に浮かぶ。
「……ごめんねクロム、ロス。でも…」
これはオレが招いたことだから…。
「…今行くよ。麗弥」
稀琉はギュッと傷口を押さえてから窓から外へ出た。
1人でこの問題を解決するために。