Devil†Story
その頃クロム達の自室


「さて地味なこの待ち時間…寝れないしクロムは面倒そーだな」



ロスが椅子に座りながら言った。




「……なぁ」



「ん?」



自室に戻ったのにも関わらず装備を外そうとしなかったクロムが口を開いた。



「…稀琉なんだが…傷や麗弥のことだけじゃなくて様子おかしくなかったか?」



「確かに。てか道中でなんか急におかしくなったんだよな。そんときに誰かとすれ違ったみたいなんだけど…怪しいかもな」



「怪しい?」



「そ。なんかホームレスっぽい奴が角に曲がってくのみたんだよ」



「ホームレスっぽい奴…?」



「俺も探知するのに集中してたから、よく分かんなかったけど…今思うと稀琉の側に居たかも…」




ロスがそこまで言ったときクロムの頭のなかで違和感の正体のパズルが出来上がった。


「あいつまさか…!」


その瞬間クロムは走り出した。


「えっ?あっ!おい!?」


ロスも慌てて追いかけた。クロムが向かったのは稀琉の自室であった。ドアの前まで来るとノックを始めた。


「おい!稀琉!居るか!?」



激しくノックをしたが中からの返事はない。


「お前さいきなり走るなよ」


後ろから聞こえたロスの悪態を無視し、ドアノブを捻るものの開かない。クロムは頭の中の考えが的中したことに苛立ちを露にした。


「ちっ…!」


ダンッダンッダンッバキッ!!


「おぉ!?」


いきなりクロムが扉を蹴り、扉を壊して中へ入った。


「お前何してーー」



「やられた」


「え?」



中を見るクロムにロスが問いかけた。



「あいつ…1人で行きやがった」


「何ですと?」



ロスが中を見ると部屋には稀琉の姿は見られなかった。代わりに窓が開いていた。


「多分その男が操られてて稀琉に何か言ったんだろ。…1人で来い的なことをな。ったく…本当に面倒ばっか起こす奴等だな…!」


クロムはそう言うか否か窓から身を翻した。



「場所は大体分かったんだよな?」



地面に着地しながら大声でロスに尋ねた。



「それは抜かりないぜ。任せな」


ロスは羽を出して飛びながら答えた。


「全く稀琉は背負い込むのが好きだな~」



呑気にロスは飛びながらポツリと呟いた。



「……逃げてるだけだろ」



舌打ちをしロスについていきながらクロムは苛立ったように呟いた。
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