Devil†Story
ーB†C 談話室ー


「そんな…」


クロムとロスの話を聞いた刹那は口元を覆うように手を唇につけた。


話を聞いていくに連れて刹那の顔がどんどん青ざめていくのが分かった。


「ショックかもしれないけど…でも、稀琉は自ら兄貴のところへ行ったんだ。…まぁ、麗弥が居るから…脅されたのが1番しっくりくるけどさ」


「…稀琉をそそのかした奴が…お兄さんの他に居たってことだよね」


「だな。俺もちょっと気を集中させてたから…気付けなかったけど」


「っ………」


刹那は、静かに目をつむった。


麗弥と…特に稀琉の心配をしているのだろう。


「……」


クロムは暫く黙っていたが、やがて口を開いた。


「…で?あいつの家の場所は?」


「えっ?」


きょとんとする刹那にイライラしながらクロムは聞き返した。


「だから、どこにあるのか聞いてんだよ」


「あ…あぁ、稀琉の家は…ここから、北にいった林の奥だけど…」


「分かった」


くるりと背を向けるクロムに刹那が話しかける。


「えっ、稀琉のところに行くの?」



「…あいつなりに、自分にけりをつけようとしてんのかもしれんが…俺から見たら追い詰められた弱者が強者に屈した様にしか見えねぇ。だから…」




スッと刹那が座っている机から扉の方へ向いて歩き出す。



「クロム?」


刹那が名前を呼んだが無視をし、ドアノブに手をかける。


そして、フードを深くかぶり直しながら後ろを振り替える。



「……連れ戻してきてやるよ。でなけりゃ…ぶん殴るもんも殴れねぇからな。あのバカを」


「クロム…!」


「勘違いすんなよ。あのバカ2人をぶん殴らねぇと…俺の気が収まらないだけだ。…ただし、半殺しでも文句言うなよ?」


ニヤリと刹那の顔を見ながら笑うクロム。


「まー、連れ戻しにはいかなきゃだからな。任せろよ、刹那。…クロムが、殺さないようには努めるからさ」


ロスもニコリと笑ってクロムの後ろまで歩いて行った。


「クロム…ロス…ありがとう」


「また怪我してくると思うからいつでも手術できるようにだけよろしく~」


「…行くぞ」


「はいよ~」


そのまま、2人は振り返りもせず扉の先へ行った。


「…4人とも無事で…」


人外の敵がいる以上…クロムたちといっても危険なのには変わりない。


刹那は、4人の少年たちの無事を祈った。


「………」


羽に包帯を巻いてもらい鳥かごの中で目をつむってじっとしていたクローの紫色の瞳がスッと開かれた。









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