Devil†Story
青く光っている部屋の前にたどり着くが、襖は閉ざされており中は確認できなかった。
「さて…稀琉はここに居るかな」
「さぁな」
ぶっきらぼうに答えたクロムがスッと襖を開けた。
「…水晶?」
真っ先に目に留まったのは水晶の柱。
水晶の柱は蛍火のような優しい光と同じ色をしていた。周りには鬼灯が相変わらず青白く光っており、優しい光とは対象に怪しく強く光っていた。
水晶柱の目映い光に目が慣れてくると奥に誰かが磔にされているのがぼんやり見えた。
「奥か?」
「そうっぽいな」
クロムが部屋の奥に進むのに続いてロスが中に入ろうとしたときだった。
ーーバチッ!
「!」
水晶柱の光がクロムの顔の横を高速で飛び、ロスの体にまとわりついた。
「おっとぉ!?」
バチッバチッという、静電気が凶悪になったような音がクロムの耳にも届く。胸に刻まれている血印にも反応し、微かだがピリピリとした痛みを感じていた。
「なんだよ拒絶されてんのか?」
「さっきと同じ原理だな。へぇ…。面白い力だな」
体に電流が流れているような状況にも関わらずロスが呑気に答えた。
ーーソレ以上近ヅクナ
「!」
ロスの脳内に声が木霊した。
ーー強大ナ異国ノ力ヲ持ツ魔ノ者ヨ。即刻立チ去レ。
地の底から響くような声。その辺の魔物ですらその気迫に押されそうな低い声にロスは少し考えていたがニヤリと笑った。
「入るなだって…?ハッ…そこまで俺の力を認識しといて…この俺に指図するたぁ面白ぇ。ロスさんちょっと本気出しちゃおっかな~…♪」
更にニヤリと笑ったロスの目が紅く光った。
ーーバチィ!
「ッ…!?」
突然電撃を流されたような痺れる痛みと熱にクロムは反射的に胸を押さえる。ロスが力を少し解放したために、力が逆流し血印が強く反応したのだ。
ビキビキと血印を中心に血管が浮き上がっていく気持ちが悪い感覚、血流の中のロスの力の結晶が反応し、心臓を締め付けられているような痛みに思わず顔をしかめる。
それだけ、普段ロスは力を押さえて生活しているのだ。
「くっ…」
初めてロスと血の契約を行ったときと似たような感覚で、その時の媒体となった左手の甲に血印と同じ逆十字に悪魔の羽が象られている印が浮き出た。
多少なりにも本気なのだろう。その影響かクロムの体にも影響が広がり、首の辺りにも血管が浮き上がっていく。青い光はロスの紅黒い力に押し負け始めた。
「くくっ…その程度かぁ?」
ロスがニヤリと笑い更に力を込めた瞬間だった。
ーーパリンッ
「っ…」
ガラスが砕けるような音と共に痛みが消えたのだが、その余韻のせいでクロムはすぐに動けなかった。
「まぁ ざっとこんなんよ♪…って。あり?」
余程集中していたのかロスはクロムの様子を見てきょとんとした。
「どした?…あっ、いけね…。そっちに力逆流した?ゴメン★」
「ハァー…」
舌を出してウィンクするロスを横目に、クロムはため息のように深く息を吐き出す。
左手の甲の紋章も、首筋の血管も今や元に戻っていた。
そして…
「…この馬鹿悪魔!」
「いって!」
クロムは、怒鳴り付けながらロスの足を蹴った。
「痛いんだけど!?」
「やかましい!本気出す前に一言言え!てめぇはなんてことねぇかもしれねぇが、俺にとばっちり来るだろうが!」
「ロスさん本気出そうかな~♪って言ったじゃん!」
「俺はエスパーか?その言葉で構えられるか!」
「阿呆が!」とまだ気持ち悪いのか、胸の血印を押さえつつ怒りながら先に進むクロム。
「そんなに怒るなって~」
「うるせぇ。喋んな」
部屋の奥に進むクロムの後ろに続いてロスも進む。
(…まぁ、あの痛み=嫌な記憶なのは知ってるけどさ)
内心そう思いながら。
先程の怪しげな青い光から、鬼灯と同じ蛍火のような淡い青い光に変わった水晶の後ろ側に行った瞬間、その後ろで囚われている人物の正体が判明した。
「あっ、稀琉」
「…居たか」
そこに居たのは稀琉だった。
両腕は拘束具に固定され、暴行されたのか頬が赤くなっていた。
意識はないようだ。
しかし、ただ気絶しているわけではなさそうだ。
先程の大きな音にも反応がないくらいだ。
もしかしたら、それくらい兄に暴力を振るわれたのかと思ったがそれも違うようだ。
先程、あれだけロスを拒絶できる程の力がこの部屋に充満しているのだ。
その額には汗をかいており、呼吸は乱れている。
…その赤くなった頬には…涙の跡が残っていた。
「……ちっ」
舌打ちしたクロムが「おい!起きろ!バカ1!」とその赤くなった頬を軽く叩く。
「ちょっ…お前」
「さっさと起きやがれ!バカ1が!」
バシッバシッと左右の頬を叩き続けるクロムにロスは仲裁に入る…がクロムは構わず叩き続ける。
「おい!バカ1!」
「待てってクロム」
「あっ?」
片方どころか、左右の頬が赤くなってきた所でロスの言葉がやっとクロムに届く。
ただでさえ赤かった片方の頬は、更に真っ赤に腫れ上がってしまった。その事で止めた…のかと思われたが、次にロスが言った言葉は少し違っていた。
「…“バカ1”じゃあ、起きねぇだろ。気絶してるし、バカ呼ばわりじゃ」
「…はっ?」
そこかよと、思っているクロムに対し「だろ?」とどや顔をしているロス。
「ちっ…わかったよ。おい!起きろ!稀琉!」
嫌そうに名前を呼びながらまた平手打ちを食らわせようとしたクロムの手をパシンッとロスが止める。
「…今度はなんだよ」
「いや、このままじゃ誰だか分からない顔になると思って。まずは下ろそうぜ?」
「………」
にこりと笑いながら、今更な正論を言うロスに半ば呆れるクロムだった。
「さて…稀琉はここに居るかな」
「さぁな」
ぶっきらぼうに答えたクロムがスッと襖を開けた。
「…水晶?」
真っ先に目に留まったのは水晶の柱。
水晶の柱は蛍火のような優しい光と同じ色をしていた。周りには鬼灯が相変わらず青白く光っており、優しい光とは対象に怪しく強く光っていた。
水晶柱の目映い光に目が慣れてくると奥に誰かが磔にされているのがぼんやり見えた。
「奥か?」
「そうっぽいな」
クロムが部屋の奥に進むのに続いてロスが中に入ろうとしたときだった。
ーーバチッ!
「!」
水晶柱の光がクロムの顔の横を高速で飛び、ロスの体にまとわりついた。
「おっとぉ!?」
バチッバチッという、静電気が凶悪になったような音がクロムの耳にも届く。胸に刻まれている血印にも反応し、微かだがピリピリとした痛みを感じていた。
「なんだよ拒絶されてんのか?」
「さっきと同じ原理だな。へぇ…。面白い力だな」
体に電流が流れているような状況にも関わらずロスが呑気に答えた。
ーーソレ以上近ヅクナ
「!」
ロスの脳内に声が木霊した。
ーー強大ナ異国ノ力ヲ持ツ魔ノ者ヨ。即刻立チ去レ。
地の底から響くような声。その辺の魔物ですらその気迫に押されそうな低い声にロスは少し考えていたがニヤリと笑った。
「入るなだって…?ハッ…そこまで俺の力を認識しといて…この俺に指図するたぁ面白ぇ。ロスさんちょっと本気出しちゃおっかな~…♪」
更にニヤリと笑ったロスの目が紅く光った。
ーーバチィ!
「ッ…!?」
突然電撃を流されたような痺れる痛みと熱にクロムは反射的に胸を押さえる。ロスが力を少し解放したために、力が逆流し血印が強く反応したのだ。
ビキビキと血印を中心に血管が浮き上がっていく気持ちが悪い感覚、血流の中のロスの力の結晶が反応し、心臓を締め付けられているような痛みに思わず顔をしかめる。
それだけ、普段ロスは力を押さえて生活しているのだ。
「くっ…」
初めてロスと血の契約を行ったときと似たような感覚で、その時の媒体となった左手の甲に血印と同じ逆十字に悪魔の羽が象られている印が浮き出た。
多少なりにも本気なのだろう。その影響かクロムの体にも影響が広がり、首の辺りにも血管が浮き上がっていく。青い光はロスの紅黒い力に押し負け始めた。
「くくっ…その程度かぁ?」
ロスがニヤリと笑い更に力を込めた瞬間だった。
ーーパリンッ
「っ…」
ガラスが砕けるような音と共に痛みが消えたのだが、その余韻のせいでクロムはすぐに動けなかった。
「まぁ ざっとこんなんよ♪…って。あり?」
余程集中していたのかロスはクロムの様子を見てきょとんとした。
「どした?…あっ、いけね…。そっちに力逆流した?ゴメン★」
「ハァー…」
舌を出してウィンクするロスを横目に、クロムはため息のように深く息を吐き出す。
左手の甲の紋章も、首筋の血管も今や元に戻っていた。
そして…
「…この馬鹿悪魔!」
「いって!」
クロムは、怒鳴り付けながらロスの足を蹴った。
「痛いんだけど!?」
「やかましい!本気出す前に一言言え!てめぇはなんてことねぇかもしれねぇが、俺にとばっちり来るだろうが!」
「ロスさん本気出そうかな~♪って言ったじゃん!」
「俺はエスパーか?その言葉で構えられるか!」
「阿呆が!」とまだ気持ち悪いのか、胸の血印を押さえつつ怒りながら先に進むクロム。
「そんなに怒るなって~」
「うるせぇ。喋んな」
部屋の奥に進むクロムの後ろに続いてロスも進む。
(…まぁ、あの痛み=嫌な記憶なのは知ってるけどさ)
内心そう思いながら。
先程の怪しげな青い光から、鬼灯と同じ蛍火のような淡い青い光に変わった水晶の後ろ側に行った瞬間、その後ろで囚われている人物の正体が判明した。
「あっ、稀琉」
「…居たか」
そこに居たのは稀琉だった。
両腕は拘束具に固定され、暴行されたのか頬が赤くなっていた。
意識はないようだ。
しかし、ただ気絶しているわけではなさそうだ。
先程の大きな音にも反応がないくらいだ。
もしかしたら、それくらい兄に暴力を振るわれたのかと思ったがそれも違うようだ。
先程、あれだけロスを拒絶できる程の力がこの部屋に充満しているのだ。
その額には汗をかいており、呼吸は乱れている。
…その赤くなった頬には…涙の跡が残っていた。
「……ちっ」
舌打ちしたクロムが「おい!起きろ!バカ1!」とその赤くなった頬を軽く叩く。
「ちょっ…お前」
「さっさと起きやがれ!バカ1が!」
バシッバシッと左右の頬を叩き続けるクロムにロスは仲裁に入る…がクロムは構わず叩き続ける。
「おい!バカ1!」
「待てってクロム」
「あっ?」
片方どころか、左右の頬が赤くなってきた所でロスの言葉がやっとクロムに届く。
ただでさえ赤かった片方の頬は、更に真っ赤に腫れ上がってしまった。その事で止めた…のかと思われたが、次にロスが言った言葉は少し違っていた。
「…“バカ1”じゃあ、起きねぇだろ。気絶してるし、バカ呼ばわりじゃ」
「…はっ?」
そこかよと、思っているクロムに対し「だろ?」とどや顔をしているロス。
「ちっ…わかったよ。おい!起きろ!稀琉!」
嫌そうに名前を呼びながらまた平手打ちを食らわせようとしたクロムの手をパシンッとロスが止める。
「…今度はなんだよ」
「いや、このままじゃ誰だか分からない顔になると思って。まずは下ろそうぜ?」
「………」
にこりと笑いながら、今更な正論を言うロスに半ば呆れるクロムだった。