Devil†Story
普通の奴なら警戒する…が。こいつなら……。
案の定、スロウスはニヤリと顔を歪めて笑いこっちに向かってきた。
「そんなに殴られたいならいくらでも殴ってやるぜぇ!!」
左頬に、スロウスの右ストレートがもろに入った。
「ぐっ…」
「ヒャハハハ!!」
クロムの顔を殴れたのが余程気に入ったのか、狂ったように何度も殴り続けた。
しかし、倒れないクロムに痺れを切らしたのかスロウスは力を込めた一撃を食らわせることにした。
再度、左頬に強烈な一撃を浴びせた。
その時に力がこもったのだろう。
先程とは違い、右足が地面から離れた。
「!」
僅かに乱れた体位。
その一瞬を見逃さなかった。
「この時を待ってたぜ」
「!?」
左頬にパンチを食らいながらも、その勢いで体が反れたのを逆に利用してその勢いに任せ左足で上段に廻り蹴りを食らわせた。
「おぅ!?」
倒れるような一撃を食らわせることはできなかったが、右顎に直撃した蹴りはスロウスに脳震盪を起こさせるには充分であった。
そして、そのまま間入れず鎖を握っていた左手の手首にも蹴りを入れた。
殴ることに夢中になっていたスロウスの左手に握られていた鎖は力を入れて持っていなかったので簡単に離した。
その鎖を引っ張り、自分の方へ寄せてから剣を拾い、渾身の力を込めて剣を振るった。
ガキィン!
大きな金属音を立てて鎖は切れた。
これで、振り回されることはなくなった。
「ちっ、切りやがったかぁ~、クソガキィ…」
脳震盪が落ち着いたスロウスは忌々しそうに呟いた。
「だが……相当なダメージを食らっただろぉ?」
「……」
ぺっと先程殴られ、口を切った際に出血し溜まっていた血を吐き出した。
あばら骨は殆ど折れ、両頬……特に左頬は殴られて赤くなっている。
挙げ句、突き刺さり出血が激しい状態で、振り回されていたクロムの体はお世辞にも余裕があるわけではなかった。
「鎖を切ったところでそいつは抜けねぇぜ?それはてめぇが1番わかってるだろぉ?」
確かにそうであった。
いくら振り回されなくなったとは言え、その鉄棒は総量15kg。
それが突き刺さっている状態では、只でさえ万全ではないクロムには厳しい状態には変わらない。
だが、クロムにはこの状態を打破する算段はついていた。
切れた鎖の先端を、松明をかける台の先端に引っ掻ける。
「おぉ?どーする気だぁ!?」
抜けないという先入観があるスロウスは余裕ありげに笑った。
「無理に抜くことができねぇんなら……」
鎖を引っ張り、台の耐久性を確認したクロムは深呼吸をした。
そして、後ろに下がり始めた。
「なぁ!?」
先程までビクともしなかった鉄棒が体内を通してズレた。
ーーいける。
「体を通しちまえばいいんだろ…?」
ズレることが分かったクロムはそこから一気に後ろに下がり始めた。
ズルズルと少しずつ体内を通して抜けていく鉄棒。
「グッ…!!」
カエシは刺さらないが、ついている小さな刺が新たに体内に刺さる。
そして、更に増していく出血。
普通ならとっくに死……いや、いくら死ににくい体とは言え常人なら考え付いてもその激痛、出血量でショック死、またはおもいついてもやろうともしないこの方法。
内臓が新たに傷つけられ、気が狂いそうな激痛が襲うが、クロムはペースを落とさずに後ろへ下がり抜いていく。
その姿にスロウスは唖然とし見ていることしか出来なかった。
そして……
「っ……!!!」
ズルりとその体に刺さっていた鉄棒がついに抜けた。
「つっ……」
ガラン!と音を立てて床に落ちる鉄棒。
ボタボタとその腹からは夥しい量の血液が流れ出していた。
「ハァ…ハァッ……」
流石のクロムも息を切らしていた。
「なんてガキだ……。まさか自分から体に突き刺して抜くなんて…狂った化け物が」
やっと動き出したスロウスは罵声を浴びせる。
「ハッ…人形のテメェには言われたくねぇな。このくらいやれねぇわけねぇだろ。俺は…悪魔に身を売った。……ある目的の為に。それが果たせる前には死ぬことも負けることも…このくらいのことが出来なくてやれるもんじゃねぇんだよ」
そうだ。
俺は…あの目的を果たさなければならない。
あいつを…殺すその目的を。
だから、こんなとこでこんな奴に手間取ってる場合じゃねぇんだ。
そこ目的を果たすまで…死ぬわけにはいかないんだ。
その想いを胸に秘め、スロウスを見据えるクロム。
その紅黒い目の闇の部分が怪しく光っている。
その目はまるで獲物を狙う肉食獣の目であった。
案の定、スロウスはニヤリと顔を歪めて笑いこっちに向かってきた。
「そんなに殴られたいならいくらでも殴ってやるぜぇ!!」
左頬に、スロウスの右ストレートがもろに入った。
「ぐっ…」
「ヒャハハハ!!」
クロムの顔を殴れたのが余程気に入ったのか、狂ったように何度も殴り続けた。
しかし、倒れないクロムに痺れを切らしたのかスロウスは力を込めた一撃を食らわせることにした。
再度、左頬に強烈な一撃を浴びせた。
その時に力がこもったのだろう。
先程とは違い、右足が地面から離れた。
「!」
僅かに乱れた体位。
その一瞬を見逃さなかった。
「この時を待ってたぜ」
「!?」
左頬にパンチを食らいながらも、その勢いで体が反れたのを逆に利用してその勢いに任せ左足で上段に廻り蹴りを食らわせた。
「おぅ!?」
倒れるような一撃を食らわせることはできなかったが、右顎に直撃した蹴りはスロウスに脳震盪を起こさせるには充分であった。
そして、そのまま間入れず鎖を握っていた左手の手首にも蹴りを入れた。
殴ることに夢中になっていたスロウスの左手に握られていた鎖は力を入れて持っていなかったので簡単に離した。
その鎖を引っ張り、自分の方へ寄せてから剣を拾い、渾身の力を込めて剣を振るった。
ガキィン!
大きな金属音を立てて鎖は切れた。
これで、振り回されることはなくなった。
「ちっ、切りやがったかぁ~、クソガキィ…」
脳震盪が落ち着いたスロウスは忌々しそうに呟いた。
「だが……相当なダメージを食らっただろぉ?」
「……」
ぺっと先程殴られ、口を切った際に出血し溜まっていた血を吐き出した。
あばら骨は殆ど折れ、両頬……特に左頬は殴られて赤くなっている。
挙げ句、突き刺さり出血が激しい状態で、振り回されていたクロムの体はお世辞にも余裕があるわけではなかった。
「鎖を切ったところでそいつは抜けねぇぜ?それはてめぇが1番わかってるだろぉ?」
確かにそうであった。
いくら振り回されなくなったとは言え、その鉄棒は総量15kg。
それが突き刺さっている状態では、只でさえ万全ではないクロムには厳しい状態には変わらない。
だが、クロムにはこの状態を打破する算段はついていた。
切れた鎖の先端を、松明をかける台の先端に引っ掻ける。
「おぉ?どーする気だぁ!?」
抜けないという先入観があるスロウスは余裕ありげに笑った。
「無理に抜くことができねぇんなら……」
鎖を引っ張り、台の耐久性を確認したクロムは深呼吸をした。
そして、後ろに下がり始めた。
「なぁ!?」
先程までビクともしなかった鉄棒が体内を通してズレた。
ーーいける。
「体を通しちまえばいいんだろ…?」
ズレることが分かったクロムはそこから一気に後ろに下がり始めた。
ズルズルと少しずつ体内を通して抜けていく鉄棒。
「グッ…!!」
カエシは刺さらないが、ついている小さな刺が新たに体内に刺さる。
そして、更に増していく出血。
普通ならとっくに死……いや、いくら死ににくい体とは言え常人なら考え付いてもその激痛、出血量でショック死、またはおもいついてもやろうともしないこの方法。
内臓が新たに傷つけられ、気が狂いそうな激痛が襲うが、クロムはペースを落とさずに後ろへ下がり抜いていく。
その姿にスロウスは唖然とし見ていることしか出来なかった。
そして……
「っ……!!!」
ズルりとその体に刺さっていた鉄棒がついに抜けた。
「つっ……」
ガラン!と音を立てて床に落ちる鉄棒。
ボタボタとその腹からは夥しい量の血液が流れ出していた。
「ハァ…ハァッ……」
流石のクロムも息を切らしていた。
「なんてガキだ……。まさか自分から体に突き刺して抜くなんて…狂った化け物が」
やっと動き出したスロウスは罵声を浴びせる。
「ハッ…人形のテメェには言われたくねぇな。このくらいやれねぇわけねぇだろ。俺は…悪魔に身を売った。……ある目的の為に。それが果たせる前には死ぬことも負けることも…このくらいのことが出来なくてやれるもんじゃねぇんだよ」
そうだ。
俺は…あの目的を果たさなければならない。
あいつを…殺すその目的を。
だから、こんなとこでこんな奴に手間取ってる場合じゃねぇんだ。
そこ目的を果たすまで…死ぬわけにはいかないんだ。
その想いを胸に秘め、スロウスを見据えるクロム。
その紅黒い目の闇の部分が怪しく光っている。
その目はまるで獲物を狙う肉食獣の目であった。