Devil†Story
その後、すぐに窓の鍵も開いた。


ガラガラ……


月明かりしか射し込んでいない部屋に4人の人影が寝ている1人の前に立つ。そして、ぐっと鉄の棒を振り上げて一斉に襲いかかろうとした…その瞬間。


カァン!


「!?」


寝ていた筈のクロムが剣で全部の鉄の棒を受け止めた。


「気配でバレバレだっての」


そう言って4人を睨み付ける。心なしか目の下には隈が出ているように見えた。


「ちっ!」


4人が一斉に離れると同時にベッドから起き上がり剣を握り締める。普段よりも眉間にシワがやっているところを見るとかなり眠そうだ。


「あー……ねみぃ…」


欠伸をしながら首を鳴らす余裕があるような行動に、4人は互いに顔を見合わした。


「こいつ…!狸寝入りしてやがったか!全部受け止めやがった!」


「中途半端にやると面倒だ!半殺しにして連れてくぞ!」


また一斉に飛びかかってくる。バカの一つ覚えみてぇに。一般人に毛の生えたくらいの実力しかねぇ癖して。


「面倒なのはこっちのセリフだ」


再び欠伸をし、呟きながら飛びかかってきた内の2人を避けて残りの2人を蹴り飛ばす。


「がっ!」


蹴り飛ばされた2人はどかっと壁に叩きつけられた。


「なっ!?」
「こいつ、強い!?」


「寝起きのこいつは不機嫌だからな」


「!?」


2人の後ろにはロスが立っていた。


「えっ!?いつの間に―…」


ニコッと笑いながら今度はロスが残りの2人の背中を蹴り飛ばす。


「がはっ!」


ドサッ


床に叩きつけられ呻き声をあげる。その内の1人がクロムの前まで飛ばされていた。


「うっ…」


背中の圧迫感に耐えながら立ち上がろうとしたまさにその瞬間だった。


チャキ…


「!」


クロムが近くに倒れていた1人の首元に剣を突きつけていた。
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