Devil†Story
ーースッと青色の瞳が開かれた。
戻って…きたんだ。この世界に。
起き上がると頰に何かが伝っていったが、それが涙だと気付くのに時間はかからなかった。
「……ふふっ。これはどっちの涙かな?青鬼」
目をこすりながらベッドから降りる。心がスッキリすると自分の体の痩せ方が異常なことに気付く。
「あー…暫く引きこもってたから…筋力も衰えてるなぁ…」
少しよろけるような感覚を感じながら鏡の前に向かう。
きっと頰とかもこけてて…目の下にはクマがあって首から鎖骨にかけては骨みたいになってるんだろうなぁ…やだな。
「あー…しかも心がスッキリしたら空腹感が凄い…気持ち悪い……」
頭が食べ物しか浮かばなくなってきた時、鏡の前についた。
「!!」
そこで自分の頰、クマ、首筋から鎖骨にかけてを見るよりもある部分に稀琉は目がいった。
そして頰が緩んだ。
「……えへへ。そっか…」
その部分に手を触れて笑った。
前は嫌で仕方なかったあの癖っ毛部分。
ツノに変わっていた訳ではないがその部分が薄い青色に染まっていた。
まるで心通した時の青鬼のように。
それが嬉しくて仕方がなかった。
青鬼と心から一緒になったことともう一つ。
実は兄の髪の先も少し青かったのだ。
パッと見て分かるわけではなかったが薄く…先だけいつも青っぽくなっていたのだ。
青鬼は言った。兄の琉稀も昔は嫌いではなかったと。
しかし少し弱いところが見受けられたから自分が取り憑いたら壊れてしまうかもしれないと感じていた。
生まれた時から責任感が強過ぎることが分かっていた。
だから力を少しだけ与えて見守ろうと思っていたとのこと。
だからこの悲劇すら自分のせいだと。
でもオレは思ったんだ。オレが青鬼にとり憑かれなくとも…きっと今のオレにはなれなかったと。
これはオレの運命だったんだ。神様が与えた…。
神様は嫌いだけど……神様はオレを強くするためにこういう運命にしたのだと。
泣き虫なオレはもう終わり。
だから全て受け入れられるようにしたい。
オレの為に。
「って…思ってる側から本当に……」
走馬灯のように流れていった記憶のせいか、はたまた青鬼と兄と同じ部分が増えたからか稀琉の瞳から透明な雫が流れていった。
「まぁすぐには無理だよね……でも、絶対そうなれるように…オレは強くなるよ」
涙を拭って窓を開ける。
ふわっと肌寒い風が部屋に入り込む。
冬の訪れを知らせる匂いが鼻から体内に入っていく。
外は夜明け近かったらしく青と水色と黄色の色が合わさっていた。
吐き出す息が白くなった。
すぐに夜明けがやってきて朝日が目に眩しかった。
「………」
ふぅと息を吐いて窓を閉めた。
心の傷が完璧に癒えた訳ではないが清々しい朝に、自分の中の夜明けもきたのかもなんて青いかな?なんて笑いながら稀琉は思った。
戻って…きたんだ。この世界に。
起き上がると頰に何かが伝っていったが、それが涙だと気付くのに時間はかからなかった。
「……ふふっ。これはどっちの涙かな?青鬼」
目をこすりながらベッドから降りる。心がスッキリすると自分の体の痩せ方が異常なことに気付く。
「あー…暫く引きこもってたから…筋力も衰えてるなぁ…」
少しよろけるような感覚を感じながら鏡の前に向かう。
きっと頰とかもこけてて…目の下にはクマがあって首から鎖骨にかけては骨みたいになってるんだろうなぁ…やだな。
「あー…しかも心がスッキリしたら空腹感が凄い…気持ち悪い……」
頭が食べ物しか浮かばなくなってきた時、鏡の前についた。
「!!」
そこで自分の頰、クマ、首筋から鎖骨にかけてを見るよりもある部分に稀琉は目がいった。
そして頰が緩んだ。
「……えへへ。そっか…」
その部分に手を触れて笑った。
前は嫌で仕方なかったあの癖っ毛部分。
ツノに変わっていた訳ではないがその部分が薄い青色に染まっていた。
まるで心通した時の青鬼のように。
それが嬉しくて仕方がなかった。
青鬼と心から一緒になったことともう一つ。
実は兄の髪の先も少し青かったのだ。
パッと見て分かるわけではなかったが薄く…先だけいつも青っぽくなっていたのだ。
青鬼は言った。兄の琉稀も昔は嫌いではなかったと。
しかし少し弱いところが見受けられたから自分が取り憑いたら壊れてしまうかもしれないと感じていた。
生まれた時から責任感が強過ぎることが分かっていた。
だから力を少しだけ与えて見守ろうと思っていたとのこと。
だからこの悲劇すら自分のせいだと。
でもオレは思ったんだ。オレが青鬼にとり憑かれなくとも…きっと今のオレにはなれなかったと。
これはオレの運命だったんだ。神様が与えた…。
神様は嫌いだけど……神様はオレを強くするためにこういう運命にしたのだと。
泣き虫なオレはもう終わり。
だから全て受け入れられるようにしたい。
オレの為に。
「って…思ってる側から本当に……」
走馬灯のように流れていった記憶のせいか、はたまた青鬼と兄と同じ部分が増えたからか稀琉の瞳から透明な雫が流れていった。
「まぁすぐには無理だよね……でも、絶対そうなれるように…オレは強くなるよ」
涙を拭って窓を開ける。
ふわっと肌寒い風が部屋に入り込む。
冬の訪れを知らせる匂いが鼻から体内に入っていく。
外は夜明け近かったらしく青と水色と黄色の色が合わさっていた。
吐き出す息が白くなった。
すぐに夜明けがやってきて朝日が目に眩しかった。
「………」
ふぅと息を吐いて窓を閉めた。
心の傷が完璧に癒えた訳ではないが清々しい朝に、自分の中の夜明けもきたのかもなんて青いかな?なんて笑いながら稀琉は思った。