Devil†Story
その後しばらく目を覆っていた青鬼。
やがて目をこすりもう一度問うた。
「本当ニ…ヨロシイノデスカ?俺ハ……」
「いいの!寧ろ…ごめんなさい。今まで苦しめて……そしてありがとう。オレを守ってくれて」
変わらない回答に笑顔。そして謝罪と感謝の言葉に青鬼は心からこの人と共にしたいと感じていた。
「ねぇ、こっち向いてよ。どんな顔をしてるかオレ知らないから見たいよ」
その言葉に青鬼は一瞬戸惑ったがゆっくりと振り返る。その瞬間水の中だというのに強い風が吹いき、蒼い目と青い目が合った。
「…!」
その姿は金髪の髪に青色のツノが生え、凛とした蒼い瞳をしていた。
いわゆる麻呂眉で牙が口から出ていたが、何より驚いたのは…兄に何となく似ていたところであった。
その姿に懐かしさを覚える。
「青鬼って言うから…童話のイメージだったけど……綺麗」
「俺ノ姿ハ見タ者ノ"目"二ヨッテ変ワリマス。貴方ノ心ガ綺麗ナ証拠デスネ」
「いやそんなことないよ。でも…こうやって話が出来て嬉しいよ。なんて呼べばいいかな?」
「…!」
優しく笑った稀琉に名前を尋ねられ青鬼の心の棘が漸く消え去った。
本当にこの人は俺を許してくれたんだ。
そして一緒に居てくれると言ってくれるんだ。
その瞬間キィーンという高い音がし、辺りが明るくなった。
「!」
明るくなったことで互いの顔がよく見えた為、改めて稀琉は青鬼が兄に似ていると感じた。
「……青鬼(せいき)とお呼びください」
心の棘が取れた青鬼の言葉が先程より鮮明に聞こえてきた。
「せいき……分かったよ。これからも…こんなオレだけどよろしくね、青鬼」
「こちらこそ。主」
「えー!主って呼ぶの?」
「主は主です。稀琉様でもよろしいですが…」
「…普通逆じゃない?鬼が人間を呼び捨てにしてオレが青鬼様じゃないの?」
そう砕けて聞いてきた稀琉に青鬼は首を横に激しく降りながら両手を突き出した。
「とんでもございません!俺が主を呼び捨てになんて出来ません!どうか主と呼ばせてください」
必死な青鬼に初めはきょとんとしていた稀琉だったが笑いながら「やっぱり君は変わってるよ青鬼」と言った。
それに釣られて青鬼も「…昔からよく言われておりました」と始めて微笑んだ。
その後2人は暫く話し続けた。
青鬼院家の話から両親の話…そして友だちの話。
時間という概念がない心の世界でゆっくりと今までの溝を埋めるように互いに話した。
「ーーそろそろ戻ろうかな」
稀琉の言葉に青鬼は頷いた。
「主。戻ったら…きちんと食事をしてください。少なくとも…主の兄である琉稀を殺めたのは俺です」
「またそんなこと言って…でも、うん。きちんと食べるよ」
「俺は先程も言いましたが…いつでも主の力添えになりたいと願ってます。主が12年間居た…か、かふぇ?という菓子屋に居られると決心されたのなら俺は何も言いませんが…いつでもこの青鬼をお呼びください。主と心通したことで…今までよりも殺器の方は精密に操れるかと思われますが……主に危険が及んだ場合は地獄の鬼として…相手いたしますので」
カタカナに弱い青鬼はカフェという言葉に?マークを浮かべながらもはっきりとそう言った。
「うん。ありがとう。これからもよろしく」
「こちらこそ」
「じゃあ…行くね。たまに心通しに行くね」
「心待ちにしております。お身体にお気をつけて」
2人は微笑んだ後、稀琉は目を瞑り上へ戻るイメージをした。
ふわりと体が浮上し、稀琉はゆっくりと現実世界に戻っていった。
「…ありがとうございます。どうかご無理をされないように…」
その様子を見ながら青鬼はそう呟いた。
やがて目をこすりもう一度問うた。
「本当ニ…ヨロシイノデスカ?俺ハ……」
「いいの!寧ろ…ごめんなさい。今まで苦しめて……そしてありがとう。オレを守ってくれて」
変わらない回答に笑顔。そして謝罪と感謝の言葉に青鬼は心からこの人と共にしたいと感じていた。
「ねぇ、こっち向いてよ。どんな顔をしてるかオレ知らないから見たいよ」
その言葉に青鬼は一瞬戸惑ったがゆっくりと振り返る。その瞬間水の中だというのに強い風が吹いき、蒼い目と青い目が合った。
「…!」
その姿は金髪の髪に青色のツノが生え、凛とした蒼い瞳をしていた。
いわゆる麻呂眉で牙が口から出ていたが、何より驚いたのは…兄に何となく似ていたところであった。
その姿に懐かしさを覚える。
「青鬼って言うから…童話のイメージだったけど……綺麗」
「俺ノ姿ハ見タ者ノ"目"二ヨッテ変ワリマス。貴方ノ心ガ綺麗ナ証拠デスネ」
「いやそんなことないよ。でも…こうやって話が出来て嬉しいよ。なんて呼べばいいかな?」
「…!」
優しく笑った稀琉に名前を尋ねられ青鬼の心の棘が漸く消え去った。
本当にこの人は俺を許してくれたんだ。
そして一緒に居てくれると言ってくれるんだ。
その瞬間キィーンという高い音がし、辺りが明るくなった。
「!」
明るくなったことで互いの顔がよく見えた為、改めて稀琉は青鬼が兄に似ていると感じた。
「……青鬼(せいき)とお呼びください」
心の棘が取れた青鬼の言葉が先程より鮮明に聞こえてきた。
「せいき……分かったよ。これからも…こんなオレだけどよろしくね、青鬼」
「こちらこそ。主」
「えー!主って呼ぶの?」
「主は主です。稀琉様でもよろしいですが…」
「…普通逆じゃない?鬼が人間を呼び捨てにしてオレが青鬼様じゃないの?」
そう砕けて聞いてきた稀琉に青鬼は首を横に激しく降りながら両手を突き出した。
「とんでもございません!俺が主を呼び捨てになんて出来ません!どうか主と呼ばせてください」
必死な青鬼に初めはきょとんとしていた稀琉だったが笑いながら「やっぱり君は変わってるよ青鬼」と言った。
それに釣られて青鬼も「…昔からよく言われておりました」と始めて微笑んだ。
その後2人は暫く話し続けた。
青鬼院家の話から両親の話…そして友だちの話。
時間という概念がない心の世界でゆっくりと今までの溝を埋めるように互いに話した。
「ーーそろそろ戻ろうかな」
稀琉の言葉に青鬼は頷いた。
「主。戻ったら…きちんと食事をしてください。少なくとも…主の兄である琉稀を殺めたのは俺です」
「またそんなこと言って…でも、うん。きちんと食べるよ」
「俺は先程も言いましたが…いつでも主の力添えになりたいと願ってます。主が12年間居た…か、かふぇ?という菓子屋に居られると決心されたのなら俺は何も言いませんが…いつでもこの青鬼をお呼びください。主と心通したことで…今までよりも殺器の方は精密に操れるかと思われますが……主に危険が及んだ場合は地獄の鬼として…相手いたしますので」
カタカナに弱い青鬼はカフェという言葉に?マークを浮かべながらもはっきりとそう言った。
「うん。ありがとう。これからもよろしく」
「こちらこそ」
「じゃあ…行くね。たまに心通しに行くね」
「心待ちにしております。お身体にお気をつけて」
2人は微笑んだ後、稀琉は目を瞑り上へ戻るイメージをした。
ふわりと体が浮上し、稀琉はゆっくりと現実世界に戻っていった。
「…ありがとうございます。どうかご無理をされないように…」
その様子を見ながら青鬼はそう呟いた。