Devil†Story
「はぁ!?俺の仕事は迷子のバカ探しじゃなくて殺しだろ!殺し!いい加減コート離しやがれ!ていうか今日しつこいぞ!」
クロムの目の充血は怒鳴りすぎたのか治るどころか悪化しているようだった。
「だって今日麗弥に用事あるんだもん!君も分からず屋だな〜!」
「知るか!そう思うなら諦めろ!!」
益々赤くなっていく目で睨み付ける。その様子は目だけで人を殺められるのではないかと思える程だ。少し離れた位置から見る稀琉ですら恐いと感じる程の迫力があった。
「行ってやれば〜?」
そんなクロムに対してロスは呑気に声を掛ける。その恐ろしい目で今度はロスを睨む。
「それならてめぇ1人で行ってこいよ…!大体俺よりも麗弥のオトモダチの稀琉に頼めよ!」
「いや〜稀琉と俺はこれから仕事なんだよ。どうせ暇でしょー?さささっと行ってきて〜」
「そうそう。お前暇だろ。ちゃちゃっと行っちまえばラクじゃん?仕方ないから俺も着いて行ってやるからさ。頑固ちゃんになんなよ」
刹那とロスは本当にフィルターがかかって普通のクロムに見えてるのではないかと思うほど通常運転で好き勝手に話しをしていた。
「……てめぇら…好き勝手ほざきやがって…殺すぞ…!!」
しかし現実はかなり厳つい表情で額に青筋が浮かび、コートを握り締めた手の甲に血管が浮き出て震えるほど激怒している。このままだと憤死しかねない。そう思った稀琉が間に入った。
「じゃ、じゃあクロム。オレが探しに行ってくるから、代わりに刹那のお手伝いしてくれない?どうしても今日までにやらないといけないことなんだけど」
稀琉の言葉にゆらりと顔を向ける。稀琉に対する怒りはないので2人を見る時よりも表情が和らいではいるがそれを差し引いても恐ろしい顔をしている。出来るだけ刺激しないように微笑む。
「…手伝い?」
「これなんだけど………」
刹那が油断していた間に思い切りコートを引っ張り解いてからクロムは稀琉が取り出したミニサイズの手帳を見るために近づいた。
「なっ…」
稀琉が見せたノートにはとんでもない事が書かれていた。あまりの衝撃にクロムの顔から怒りが消えており唖然とした表情に変わっていた。
「刹那とやれるの楽しみにしてたんだけど…。クロム嫌みたいだし、心配だからオレが探しに行ったら良いでしょ?刹那」
そんなクロムの表情には気付かず刹那の方を無邪気な顔で見た。刹那は上半身の姿勢を正しながら頷く。
「まぁ…。それは構わないよ。じゃあ交換で。その代わり大切な任務だからしっかりやってねクロ―ー「…行ってくる」
「「えっ?」」
さっきまでの怒りは何処へ行ったのか刹那の言葉に被せるように行くことを承諾した。頑なに行かないと憤怒していたとは思えない程、突然冷静になったクロムに全員が驚く。
「あいつ探しに行ってくる。おら。行くぞロス」
「え?いいの?交換しなくて」
再度行くと伝えたクロムは稀琉の言葉に手を挙げて同意する。そしてロスの返事を聞く前に服の襟を掴んだ。
「はっ?えっ?おい!?」
ノートを見ていないロスには意味が分からなかった。そのままズルズルと引きづられ余計に状況が理解できない。
「行ってくれるんだね!ありがとー♪そういえば新調したコート出来上がったよ」
ヒュッとコートを投げた。クロムは黙って受け取ると素早く着替え、元々来ていたコートを投げて返した。そしてそのまま何か文句を言っているロスを引っ張ってった。
「行っちゃった」
「あんなに拒んでたのに。ぶっ…まぁ流石にクロムには出来ないか」
笑いを堪えていたのだろう。刹那は口を抑えて笑い始めた。
「なんで笑ってるの?」
キョトンしたように尋ねる稀琉。
「だっ…だって…あの激おこクロムにその提案するのは笑うでしょ!あはは!」
「流石稀琉!」と腹を抱えて笑う刹那にまだ理解しきれていない稀琉は首を傾げて頭上に?マークをつけている。
「えーそんなに嫌なのかな?いい案だと思ったのに。楽しいのになぁ…ケーキ作り」
稀琉は季節のケーキの作り方が書いてある手帳を見つめた。実は来週から出そうとしているケーキの新作を刹那と稀琉で考案することになっていた。それが今日だったのだ。試食は麗弥にお願いする予定だった。だから麗弥を探しに行ってくるようにしつこくお願いしていたのだ。
クロムの目の充血は怒鳴りすぎたのか治るどころか悪化しているようだった。
「だって今日麗弥に用事あるんだもん!君も分からず屋だな〜!」
「知るか!そう思うなら諦めろ!!」
益々赤くなっていく目で睨み付ける。その様子は目だけで人を殺められるのではないかと思える程だ。少し離れた位置から見る稀琉ですら恐いと感じる程の迫力があった。
「行ってやれば〜?」
そんなクロムに対してロスは呑気に声を掛ける。その恐ろしい目で今度はロスを睨む。
「それならてめぇ1人で行ってこいよ…!大体俺よりも麗弥のオトモダチの稀琉に頼めよ!」
「いや〜稀琉と俺はこれから仕事なんだよ。どうせ暇でしょー?さささっと行ってきて〜」
「そうそう。お前暇だろ。ちゃちゃっと行っちまえばラクじゃん?仕方ないから俺も着いて行ってやるからさ。頑固ちゃんになんなよ」
刹那とロスは本当にフィルターがかかって普通のクロムに見えてるのではないかと思うほど通常運転で好き勝手に話しをしていた。
「……てめぇら…好き勝手ほざきやがって…殺すぞ…!!」
しかし現実はかなり厳つい表情で額に青筋が浮かび、コートを握り締めた手の甲に血管が浮き出て震えるほど激怒している。このままだと憤死しかねない。そう思った稀琉が間に入った。
「じゃ、じゃあクロム。オレが探しに行ってくるから、代わりに刹那のお手伝いしてくれない?どうしても今日までにやらないといけないことなんだけど」
稀琉の言葉にゆらりと顔を向ける。稀琉に対する怒りはないので2人を見る時よりも表情が和らいではいるがそれを差し引いても恐ろしい顔をしている。出来るだけ刺激しないように微笑む。
「…手伝い?」
「これなんだけど………」
刹那が油断していた間に思い切りコートを引っ張り解いてからクロムは稀琉が取り出したミニサイズの手帳を見るために近づいた。
「なっ…」
稀琉が見せたノートにはとんでもない事が書かれていた。あまりの衝撃にクロムの顔から怒りが消えており唖然とした表情に変わっていた。
「刹那とやれるの楽しみにしてたんだけど…。クロム嫌みたいだし、心配だからオレが探しに行ったら良いでしょ?刹那」
そんなクロムの表情には気付かず刹那の方を無邪気な顔で見た。刹那は上半身の姿勢を正しながら頷く。
「まぁ…。それは構わないよ。じゃあ交換で。その代わり大切な任務だからしっかりやってねクロ―ー「…行ってくる」
「「えっ?」」
さっきまでの怒りは何処へ行ったのか刹那の言葉に被せるように行くことを承諾した。頑なに行かないと憤怒していたとは思えない程、突然冷静になったクロムに全員が驚く。
「あいつ探しに行ってくる。おら。行くぞロス」
「え?いいの?交換しなくて」
再度行くと伝えたクロムは稀琉の言葉に手を挙げて同意する。そしてロスの返事を聞く前に服の襟を掴んだ。
「はっ?えっ?おい!?」
ノートを見ていないロスには意味が分からなかった。そのままズルズルと引きづられ余計に状況が理解できない。
「行ってくれるんだね!ありがとー♪そういえば新調したコート出来上がったよ」
ヒュッとコートを投げた。クロムは黙って受け取ると素早く着替え、元々来ていたコートを投げて返した。そしてそのまま何か文句を言っているロスを引っ張ってった。
「行っちゃった」
「あんなに拒んでたのに。ぶっ…まぁ流石にクロムには出来ないか」
笑いを堪えていたのだろう。刹那は口を抑えて笑い始めた。
「なんで笑ってるの?」
キョトンしたように尋ねる稀琉。
「だっ…だって…あの激おこクロムにその提案するのは笑うでしょ!あはは!」
「流石稀琉!」と腹を抱えて笑う刹那にまだ理解しきれていない稀琉は首を傾げて頭上に?マークをつけている。
「えーそんなに嫌なのかな?いい案だと思ったのに。楽しいのになぁ…ケーキ作り」
稀琉は季節のケーキの作り方が書いてある手帳を見つめた。実は来週から出そうとしているケーキの新作を刹那と稀琉で考案することになっていた。それが今日だったのだ。試食は麗弥にお願いする予定だった。だから麗弥を探しに行ってくるようにしつこくお願いしていたのだ。