Devil†Story
「あー…もうこれはダメだな。死んでる」
スンと匂いを嗅いでロスは呟いた。常人には分からない死臭がするのだろう。その匂いに頼らずとも瞳孔が開き切ってだらりと力の抜けた体を見れば死んでいるのは一目瞭然であった。
「見りゃ分かる」
「夜になってから張り付けたんだろうけど…よく他の奴らに見つかんなかったな」
「前に見たホラー映画じゃん」とまじまじと死体を見て呟く。以前麗弥にどうしても見たいと言われて半ば無理やり刹那を含めた5人でホラー映画を見たことがあった。終始叫ぶ稀琉と場面場面で怖がる麗弥、欠伸をするクロム、微動だにしない刹那に興味津々のロスと全員が違った反応を見せた映画鑑賞だったが、内容はいわゆるB級と言われるものだった。その時に出てきた死体のシーンと似てると思っての言葉だった。
「あぁ。あのくだらねぇクソ映画な」
「そうそう!生で見れるとは思わなかった」
「だが確かによくこんな所に器用に張り付けたな」
クロムは顎に手を当てて感心したように答えた。
「そこ?うわ〜顔白。これはほとんど体から血が抜かれてる感じだ」
「さっき刹那が言ってた狩人の仕業だな。……つーかなんか腹んとこ異様に膨れてないか?」
見てみると確かに異様に膨らんでいる。そこから出血して血液が溜まっている訳でもなさそうだ。最も防水加工がされてなければ溜まることもないだろうが。
「本当だ―…」
ロスが額に手を当ててその部分を見たその時だった。
ガサガサッ
「おっ?」
膨れている腹の所が動き出した。まるでそこから何かが飛び出すのではないかというくらい激しく蠢いていた。
「…キモッ」
「お前が気にする所はそこかよ。…確認する?」
「お前がやれよ。俺は触らねぇぞ」
「きたねぇし。お前ならピューと行って下ろせるだろ」と後ろに下がりながら腕を組んだ。
「お前なー…まぁ、仕方ねぇか。お前女だしな」
そう言って溜め息をつきながら、飛んで死体に打ち付けられていた杭を取った。
「今度はその顔面に蹴りを入れるぞ」
ドサッ…
悪態をつくクロムの目の前で死体が下ろされた。
スンと匂いを嗅いでロスは呟いた。常人には分からない死臭がするのだろう。その匂いに頼らずとも瞳孔が開き切ってだらりと力の抜けた体を見れば死んでいるのは一目瞭然であった。
「見りゃ分かる」
「夜になってから張り付けたんだろうけど…よく他の奴らに見つかんなかったな」
「前に見たホラー映画じゃん」とまじまじと死体を見て呟く。以前麗弥にどうしても見たいと言われて半ば無理やり刹那を含めた5人でホラー映画を見たことがあった。終始叫ぶ稀琉と場面場面で怖がる麗弥、欠伸をするクロム、微動だにしない刹那に興味津々のロスと全員が違った反応を見せた映画鑑賞だったが、内容はいわゆるB級と言われるものだった。その時に出てきた死体のシーンと似てると思っての言葉だった。
「あぁ。あのくだらねぇクソ映画な」
「そうそう!生で見れるとは思わなかった」
「だが確かによくこんな所に器用に張り付けたな」
クロムは顎に手を当てて感心したように答えた。
「そこ?うわ〜顔白。これはほとんど体から血が抜かれてる感じだ」
「さっき刹那が言ってた狩人の仕業だな。……つーかなんか腹んとこ異様に膨れてないか?」
見てみると確かに異様に膨らんでいる。そこから出血して血液が溜まっている訳でもなさそうだ。最も防水加工がされてなければ溜まることもないだろうが。
「本当だ―…」
ロスが額に手を当ててその部分を見たその時だった。
ガサガサッ
「おっ?」
膨れている腹の所が動き出した。まるでそこから何かが飛び出すのではないかというくらい激しく蠢いていた。
「…キモッ」
「お前が気にする所はそこかよ。…確認する?」
「お前がやれよ。俺は触らねぇぞ」
「きたねぇし。お前ならピューと行って下ろせるだろ」と後ろに下がりながら腕を組んだ。
「お前なー…まぁ、仕方ねぇか。お前女だしな」
そう言って溜め息をつきながら、飛んで死体に打ち付けられていた杭を取った。
「今度はその顔面に蹴りを入れるぞ」
ドサッ…
悪態をつくクロムの目の前で死体が下ろされた。