Devil†Story
「ん〜?よく見るとこいつって…昨日の宗教団体の奴じゃねぇ?」
蠢いていて見づらいが昨日殲滅した宗教団体の教団員が着ていた服だった。この男は今朝方ヤナに殺された男であった。
「そうみたいだな。1人取り逃してたか」
「でも殺されてるの見ると…逃げてるところで狩人にやられたんだな。御愁傷様」
心にもないことを言いながら両手を合わせた。その時、その声に反応するかのように腹部の蠢きが激しさを増した。
「うわ〜めっちゃ動いてる…。気持ち悪いな」
バサバサと音を立てて蠢く腹部を見たロスが呟く。その音は何処か聞き覚えるのある音であった。
「…ん?」
その様子を見ていたクロムが違和感を感じたように周りを見た。そして耳に手を当てて始めた。
「どうしたーー「静かにしてろ」」
状況確認をしようと聞いたロスを黙らせ少しの間何かを聞き取るように耳を澄ませていた。
「…声がする」
「声?んなもん聞こえないけど」
ロスも同じように耳を当てるが聞こえてこない。聞こえてくるのは腹部が蠢く音だけだった。クロムは本人にしか聞こえない声に集中する。
「……出してって言ってんな」
「とういうと…」
ロスは話しながら蠢いている腹部を見る。チラリとクロムを見ると僅かに頷いた。どうやらこの中に答えがあるようだ。
「見てみないとわからねぇな。さーて…答え合わせと行こうじゃねぇか」
「さっさとしろ」
「ハイハイ」とボタンを1つずつ開けて服を開いた。
開き切ると同時に黒い影が服から飛び出してきた。
「おぉ?」
「お前は…麗弥んとこのカラスじゃねぇか」
服の中に入れられてたのは麗弥のカラスだった。探索隊と裏の従業員はクロムとロスを除いて1人1匹カラスを支給されている。カラスは鳥の中でも頭が良く、それでいて町中にいる生き物だ。だからこそバレずに伝達することが出来るのであった。
「こいつ麗弥のカラスか。なんで分かったんだ?」
ロスは不思議そうにクロムに尋ねる。それぞれのカラスは誰からの伝達なのか一目で分かるように目印をつけていた。探索隊は足輪に数字を、稀琉のカラスは両足にシルバーの足輪をといった具合に。麗弥のカラスには首に銃の飾りがついた首輪がつけられていた。しかしその首輪は盗られており一見ただのカラスにしか見えない風貌であった。しかし、クロムはすぐに麗弥のカラスと判断していた。だからこその疑問であった。
「それはーー」
クロムが答えようとした時だった。
ーーカーカー
「!」
麗弥のカラスが鳴き始めた。鳴きながらクロムとロスの近くを旋回しながら飛んでいる。
「…なるほど。やっぱ面倒事に首突っ込んでやがったかアイツ」
チッとは舌打ちをしながらクロムは呟いた。
「は?何が面倒なんだよ?」
「あのバカ任務が終わってから、ここによく来てるガキに会う為にまたここに来たらしい。その後に帰ろうとしたら女に助けを求められたんだと。で、ホイホイついてってここに来たらこの死体があって…女がピーピー泣き出したから宥めてたところに眼鏡かけた男が後ろから来て殴られて気を失ったらしい。で、こいつが状況を伝えに戻ろうとしたら急に糸が絡んだように動けなくなって落ちたところを眼鏡に捕まってここに閉じ込められてたって」
「アイツ女には甘いからな。任務でもないのに余計なことに足突っ込むからこうなんだよ」と唖然としているロスを尻目に悪態をついていた。
「それと…眼鏡の方は確実に人間じゃなかったってよ。夜目が効かねぇからよく見えなかったらしいが牙らしきもんが生えてて血の匂いがしたんだと」
そう言うと死体に近寄り観察を始めた。首元を見ていたクロムの動きが止まりロスの方を見る。
「やっぱりな。ここに歯型らしいもんがあるぞ」
クロムが指を指した方を覗くと2箇所まるで吸血鬼が吸血したかのような傷がついていた。
蠢いていて見づらいが昨日殲滅した宗教団体の教団員が着ていた服だった。この男は今朝方ヤナに殺された男であった。
「そうみたいだな。1人取り逃してたか」
「でも殺されてるの見ると…逃げてるところで狩人にやられたんだな。御愁傷様」
心にもないことを言いながら両手を合わせた。その時、その声に反応するかのように腹部の蠢きが激しさを増した。
「うわ〜めっちゃ動いてる…。気持ち悪いな」
バサバサと音を立てて蠢く腹部を見たロスが呟く。その音は何処か聞き覚えるのある音であった。
「…ん?」
その様子を見ていたクロムが違和感を感じたように周りを見た。そして耳に手を当てて始めた。
「どうしたーー「静かにしてろ」」
状況確認をしようと聞いたロスを黙らせ少しの間何かを聞き取るように耳を澄ませていた。
「…声がする」
「声?んなもん聞こえないけど」
ロスも同じように耳を当てるが聞こえてこない。聞こえてくるのは腹部が蠢く音だけだった。クロムは本人にしか聞こえない声に集中する。
「……出してって言ってんな」
「とういうと…」
ロスは話しながら蠢いている腹部を見る。チラリとクロムを見ると僅かに頷いた。どうやらこの中に答えがあるようだ。
「見てみないとわからねぇな。さーて…答え合わせと行こうじゃねぇか」
「さっさとしろ」
「ハイハイ」とボタンを1つずつ開けて服を開いた。
開き切ると同時に黒い影が服から飛び出してきた。
「おぉ?」
「お前は…麗弥んとこのカラスじゃねぇか」
服の中に入れられてたのは麗弥のカラスだった。探索隊と裏の従業員はクロムとロスを除いて1人1匹カラスを支給されている。カラスは鳥の中でも頭が良く、それでいて町中にいる生き物だ。だからこそバレずに伝達することが出来るのであった。
「こいつ麗弥のカラスか。なんで分かったんだ?」
ロスは不思議そうにクロムに尋ねる。それぞれのカラスは誰からの伝達なのか一目で分かるように目印をつけていた。探索隊は足輪に数字を、稀琉のカラスは両足にシルバーの足輪をといった具合に。麗弥のカラスには首に銃の飾りがついた首輪がつけられていた。しかしその首輪は盗られており一見ただのカラスにしか見えない風貌であった。しかし、クロムはすぐに麗弥のカラスと判断していた。だからこその疑問であった。
「それはーー」
クロムが答えようとした時だった。
ーーカーカー
「!」
麗弥のカラスが鳴き始めた。鳴きながらクロムとロスの近くを旋回しながら飛んでいる。
「…なるほど。やっぱ面倒事に首突っ込んでやがったかアイツ」
チッとは舌打ちをしながらクロムは呟いた。
「は?何が面倒なんだよ?」
「あのバカ任務が終わってから、ここによく来てるガキに会う為にまたここに来たらしい。その後に帰ろうとしたら女に助けを求められたんだと。で、ホイホイついてってここに来たらこの死体があって…女がピーピー泣き出したから宥めてたところに眼鏡かけた男が後ろから来て殴られて気を失ったらしい。で、こいつが状況を伝えに戻ろうとしたら急に糸が絡んだように動けなくなって落ちたところを眼鏡に捕まってここに閉じ込められてたって」
「アイツ女には甘いからな。任務でもないのに余計なことに足突っ込むからこうなんだよ」と唖然としているロスを尻目に悪態をついていた。
「それと…眼鏡の方は確実に人間じゃなかったってよ。夜目が効かねぇからよく見えなかったらしいが牙らしきもんが生えてて血の匂いがしたんだと」
そう言うと死体に近寄り観察を始めた。首元を見ていたクロムの動きが止まりロスの方を見る。
「やっぱりな。ここに歯型らしいもんがあるぞ」
クロムが指を指した方を覗くと2箇所まるで吸血鬼が吸血したかのような傷がついていた。