Devil†Story
「悪魔の癖にこんなものに弱いなんて……悪魔って意外に弱いのか?」
そう言って立ち上がり携帯を持ってロスに近付いた。
「んなわけあるかよ!魔界にそんなふざけた“波動”がないから慣れねぇんだよ!近寄ってくんな!気持ち悪ぃ……」
後退りをしながら俺を睨み付けてくるが俺は無視をしてそのまま近付く。
「効率重視ならこれ使った方が早いのにそれすら出来ねぇなんてお前こそ先を考えてないんじゃねぇの?人間でも扱えるもんも満足に使えねぇとか。なよっちぃのはどっちだろうな?」
これは悪魔にとって1番の嫌味だろう。案の定ロスは怒りながら下に降りてきた。
「うるせぇよ!言わせておけば…!この俺に嫌がらせすんなんていい度胸だな!いい加減にしろよ!この女顔!」
プチッ
俺はその言葉で自分に更に青筋がたったのが分かった…というよりもその音が聞こえた。
「てめぇこそいい加減突っかかってくんじゃねぇよ!猫馬鹿悪魔!」
「猫はあんなふわふわしたの魔界にいねぇから珍しいんだよ!!」
「携帯だってそうじゃねぇかよ!」
「一緒にすんな!生き物は別だろうが!機械なんか使わなくたって俺は良いんだよ!このガリガリ女顔!」
「ハァ!?ふざけんなよ!俺は女顔じゃねぇ!ガリガリでもねぇよ!」
徐々に2人は詰め寄って罵詈雑言を吐き捨てている。
「自分を客観視出来てねぇんだなぁ!?鏡見たらいいんじゃないですかぁ!?ク・ロ・ム・ちゃん!」
「あぁ!?」
「それに加えてぇ?虫も嫌いなんだもんなぁ?こないだ部屋に小蝿がいた時に処理してやったのは誰だっけ?女みたいで可愛いなぁー?!」
前のめりになり目の前で指を突き刺したロスは小馬鹿にしてきた。クロムは昔から虫が苦手であった。どれだけ小さな虫でも側に来ることすら許せない程案入れない存在であった。何より虫=不衛生というイメージが強く虫嫌いに拍車をかけていた。
「それはてめぇが勝手に窓を開けやがったから入ってきたんだろうが!大体あんな気持ち悪い生き物を好きな奴の気がしれねぇよ!!」
「ほれ見ろ!俺だって可愛がりはしねぇけど殺す事は出来るぞ!あんな小虫できゃーきゃー言うのは女だろ!!」
指を差してきた事ですら腹立たしいのに、挙げ句の果てに中指を立てて来たロスに怒りがピークに達したクロムはその指を払った。(避けられているが)
「てめぇ…!殺してやるからそこに跪け!!」
「誰が跪くか!まぁ?レディと認めるなら膝まずいてやっても良いけどぉ?お嬢さん!大体お前が俺に勝った事あんのかよ!また昔みたいにボコボコにしてやろうか?」
ーーピリッ
クロムの雰囲気が一気に変わり先程までの勢いが無くなった代わりに静かに殺気を出していた。
「…いつの話をしてやがるんだ?昔の話をしてんじゃねぇよ」
どうやら最後のロスの一言は癪に触るものだったようで背中に取り付けている剣の柄に手をかけた。そのクロムの様子にロスも気付き、卑しい笑みを浮かべる。
「…何マジになってんだよ。ちょっとからかっただけじゃん。それとも本当の事を言われて認められねぇのか?半殺しにしてやった事もあったもんなぁ?」
挑発するような言葉に眉間にしわが寄った。契約時は普通の子どもと変わらなかったクロムに戦い方を教えたのはロスだ。任務の時はあまり戦闘に参加しないロスだがその実力は計り知れない。事実今までロスと組み手をしてクロムは勝ったことがなかった。またロスが言うように過去に半殺しにされた事があり、その時の記憶は苦い記憶として残っている。
「…随分と昔話が好きみたいだな。…自分(てめぇ)が飼い慣らせていると思ってる"飼い犬"に牙が向けられねぇとでも思ってるのか?…その傲慢さが仇となっていつか喉元噛みちぎってくるかもしれねぇぞ」
自分の喉元に指を突きつけて切るように動かした後、親指を下に向けた。
「…は?」
ピクリと眉を上げたロスが睨みつけるようにクロムを見た。紅黒い目と目が合う。ビリビリとした緊張感が辺りに広がった。
「…ふーん?マジで俺とやり合おうってか?昔痛い目にあった事を忘れてるようだな。"多少"強くなったからって調子に乗るんじゃねぇぞ?…久々に遊んでやるよ」
ダンっと足を地面に強く叩きつけたロスが挑発するように人差し指を数回曲げた。地面にはヒビが入っていた。強くなった2人の殺気がぶつかり合う。その雰囲気は目にも見えるのではないかと言うくらい迫力があり禍々しさを帯びていた。その殺気は屋上だけに留まらず、町中の動物たちが一斉にその場から逃げ出していた。2人が動き出そうとしたその時だった。
「カァー!カー!」
「「!」」
カラスの声が近くで聞こえた。
そう言って立ち上がり携帯を持ってロスに近付いた。
「んなわけあるかよ!魔界にそんなふざけた“波動”がないから慣れねぇんだよ!近寄ってくんな!気持ち悪ぃ……」
後退りをしながら俺を睨み付けてくるが俺は無視をしてそのまま近付く。
「効率重視ならこれ使った方が早いのにそれすら出来ねぇなんてお前こそ先を考えてないんじゃねぇの?人間でも扱えるもんも満足に使えねぇとか。なよっちぃのはどっちだろうな?」
これは悪魔にとって1番の嫌味だろう。案の定ロスは怒りながら下に降りてきた。
「うるせぇよ!言わせておけば…!この俺に嫌がらせすんなんていい度胸だな!いい加減にしろよ!この女顔!」
プチッ
俺はその言葉で自分に更に青筋がたったのが分かった…というよりもその音が聞こえた。
「てめぇこそいい加減突っかかってくんじゃねぇよ!猫馬鹿悪魔!」
「猫はあんなふわふわしたの魔界にいねぇから珍しいんだよ!!」
「携帯だってそうじゃねぇかよ!」
「一緒にすんな!生き物は別だろうが!機械なんか使わなくたって俺は良いんだよ!このガリガリ女顔!」
「ハァ!?ふざけんなよ!俺は女顔じゃねぇ!ガリガリでもねぇよ!」
徐々に2人は詰め寄って罵詈雑言を吐き捨てている。
「自分を客観視出来てねぇんだなぁ!?鏡見たらいいんじゃないですかぁ!?ク・ロ・ム・ちゃん!」
「あぁ!?」
「それに加えてぇ?虫も嫌いなんだもんなぁ?こないだ部屋に小蝿がいた時に処理してやったのは誰だっけ?女みたいで可愛いなぁー?!」
前のめりになり目の前で指を突き刺したロスは小馬鹿にしてきた。クロムは昔から虫が苦手であった。どれだけ小さな虫でも側に来ることすら許せない程案入れない存在であった。何より虫=不衛生というイメージが強く虫嫌いに拍車をかけていた。
「それはてめぇが勝手に窓を開けやがったから入ってきたんだろうが!大体あんな気持ち悪い生き物を好きな奴の気がしれねぇよ!!」
「ほれ見ろ!俺だって可愛がりはしねぇけど殺す事は出来るぞ!あんな小虫できゃーきゃー言うのは女だろ!!」
指を差してきた事ですら腹立たしいのに、挙げ句の果てに中指を立てて来たロスに怒りがピークに達したクロムはその指を払った。(避けられているが)
「てめぇ…!殺してやるからそこに跪け!!」
「誰が跪くか!まぁ?レディと認めるなら膝まずいてやっても良いけどぉ?お嬢さん!大体お前が俺に勝った事あんのかよ!また昔みたいにボコボコにしてやろうか?」
ーーピリッ
クロムの雰囲気が一気に変わり先程までの勢いが無くなった代わりに静かに殺気を出していた。
「…いつの話をしてやがるんだ?昔の話をしてんじゃねぇよ」
どうやら最後のロスの一言は癪に触るものだったようで背中に取り付けている剣の柄に手をかけた。そのクロムの様子にロスも気付き、卑しい笑みを浮かべる。
「…何マジになってんだよ。ちょっとからかっただけじゃん。それとも本当の事を言われて認められねぇのか?半殺しにしてやった事もあったもんなぁ?」
挑発するような言葉に眉間にしわが寄った。契約時は普通の子どもと変わらなかったクロムに戦い方を教えたのはロスだ。任務の時はあまり戦闘に参加しないロスだがその実力は計り知れない。事実今までロスと組み手をしてクロムは勝ったことがなかった。またロスが言うように過去に半殺しにされた事があり、その時の記憶は苦い記憶として残っている。
「…随分と昔話が好きみたいだな。…自分(てめぇ)が飼い慣らせていると思ってる"飼い犬"に牙が向けられねぇとでも思ってるのか?…その傲慢さが仇となっていつか喉元噛みちぎってくるかもしれねぇぞ」
自分の喉元に指を突きつけて切るように動かした後、親指を下に向けた。
「…は?」
ピクリと眉を上げたロスが睨みつけるようにクロムを見た。紅黒い目と目が合う。ビリビリとした緊張感が辺りに広がった。
「…ふーん?マジで俺とやり合おうってか?昔痛い目にあった事を忘れてるようだな。"多少"強くなったからって調子に乗るんじゃねぇぞ?…久々に遊んでやるよ」
ダンっと足を地面に強く叩きつけたロスが挑発するように人差し指を数回曲げた。地面にはヒビが入っていた。強くなった2人の殺気がぶつかり合う。その雰囲気は目にも見えるのではないかと言うくらい迫力があり禍々しさを帯びていた。その殺気は屋上だけに留まらず、町中の動物たちが一斉にその場から逃げ出していた。2人が動き出そうとしたその時だった。
「カァー!カー!」
「「!」」
カラスの声が近くで聞こえた。