やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「こんなところまでって、別に来たくて来たわけじゃなくて、無理やり連れて来られたんだから、俺が何しようと自由だろ!」
別に無理やり連れて来られた訳じゃなく、どちらかと言うと、無理やりついてきた真木ヒナタが、殴られた頭のてっぺんをさすりながら言った。
「無理やり・・・ですか?」
執事が私を見た。
「はい、いきなり、葵様がお店に来て・・・気づいたら、ここに連れて来られてました。」
私は、執事に簡単に説明する。
「それでは、これが何のための会かわかってないのですか?」
「はい。何のための会なんですか?」
執事の言葉にうなずく、私。
「・・・これは、葵様の婚約者発表のための集まりですよ。」
「へ~・・・葵様の婚約者発表のため・・・・・って葵様結婚するんですか?」
驚いた表情で執事を見る私。
「結婚ではありませんが、婚約です。」
いつもと変わらない表情で答える執事。
「・・・・何かめんどくさそうな予感・・・」
真木ヒナタが、、ボソッっと小声でこぼす。
「・・・・ですよね。」
サブも真木ヒナタに同意する。