やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】


(・・・・また、組長が真木さんに余計な事を!)



私は、心の中で組長に文句を言いながら、真木さんに言った。



「・・・・真木さんですよ。」



私は、自分に嘘をついて答えた。



「・・・・・小夜、本気で思ってる?」



私の表情をジッと見つめている真木ヒナタ。



「もう、何なんですか、さっきから!だから、わざわざ、真木さんだって答えてあげてるじゃないですか!!」



「何だよ、わざわざって!どう見ても、俺の方がいい男だろうが!!」



ドレスを着て女装をしている真木ヒナタが叫んだ。



その瞬間、私と真木ヒナタに視線が集まる。



「あの~すいませんが、静かにしていただけますか?」



椿 麗子が、ステージの上からマイクで声をかけてくる。



「・・・・すいません。」



私は、恥ずかしくて顔を真っ赤にしながら、謝った。

< 114 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop