やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「よし、それじゃ、1ヵ月後にここで、お互いが1ヵ月で稼いだお金を持って来て、多い方が葵様と婚約できるってことでいいな?」
「ああ、それでOKだ。」
真木ヒナタが、源悠斗に答えた。
「皆さん、ここにいる皆さんが証人ですので、是非、1ヵ月後にもいらしてください。」
源悠斗が、部屋にいる人々に声をかける。
「わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!!!!」
再び上がる大歓声。
「そうだ。それだけじゃ、面白くないから、負けた方が、決着がついた日から1ヵ月奴隷として勝者のために働くっていうのはどうだい?・・・・・まぁ、怖いなら、受けなくてもいいけど。」
見下した表情で見る源悠斗。
「ムカッ!!俺が怖いわけないだろ!!受けてやろうじゃないか!!」
なぜか、真木ヒナタが答える。
「よし、それじゃ、葵様との婚約と奴隷をかけての勝負開始だ!」
「上等だよ!!」
にらみ合う源悠斗と真木ヒナタ。
「ああ、私は、何て罪な女なんでしょう・・・・」
隣では、自分勝手な世界にドップリと浸る葵。
そして、組長が、私に小声で聞いてきた。
「ねぇ~・・・ヒナタが答えてるけど・・・・負けて奴隷になるのは、俺だよね?」
不安そうな組長。
「・・・・・そうですよ。」
私は、可哀相なものを見る目で組長を見ながら答えた。
(悪い予感が的中しちゃった・・・・)
私は、これからの事を思うと、気が重くなっていた。