やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
第5節:パパ
葵の婚約発表会が混乱のまま終了をむかえ、私と執事と組長と真木ヒナタとサブとポチが出口で集まっていた。
「龍一さん、この屋敷って誰の物なんですか?華木組の屋敷なんですか?」
連れてこられた時は、どこともわからずに連れてこられたので、私は、自分が今どこに居るのかわかっていなかった。
「ここは、華木組の別宅です。確か持ち主は、葵様だったと思いますが。」
執事が私に教えてくれた。
私は、屋敷を眺めてみる。
とても、中学3年生の女の子の持ち物とは思えない洋風の豪邸。
「・・・・はぁ~・・・・」
男4人とアパートの部屋で暮らしている私と比べ、思わず、ため息が出る。
「それでは、私は、お先に帰らしていただきますよ。」
執事が、私達に声をかけた。
「何だよ、龍一、一緒に帰らないのかよ?」
組長が、残念そうに執事を見る。