やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「・・・大和、あなた、自分が勘当された身だと覚えていますか?」
執事は、呆れながら、組長に言った。
「何だよ、別に一緒に帰るくらいいいだろ?」
「ダメです。けじめは、大切です。」
執事は、そう言うと、待っていた車に乗り込み帰っていった。
「俺達も帰ろうぜ?」
真木ヒナタが、執事が車に乗り込み帰るのを見て言った。
「そうだな。で、俺達の車は?」
組長が、私を見る。
「車ですか?私達は、無理やり、葵様に連れてこられたから、ありませんよ。組長とポチさんが、乗ってきた車はないんですか?」
「俺達は、タクシーで来たからないよ。なぁ、ポチ。」
組長が、私に言って、顔を包帯でグルグル巻きしたポチに話しかける。
「・・・・・・・・・そう・・・ですね。」
ポチは、機嫌悪そうに答えた。