やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】

「なんだよ、うるさいなぁ!」



眠そうに目を擦りながら、真木ヒナタが、部屋から出てきた。



真木ヒナタは、もうすでに、トトロパジャマを着ていて、寝る準備万端。



「聞いてくれよ、ヒナタ。小夜が、俺の事、切れ痔組長って呼んだんだ。どうするんだよ?」



焦った様子の組長。



「・・・・・現実をしっかり認識した見事な名称だと思うけど、何が問題なんだ?」



真木ヒナタは、何故、組長がそんなに焦っているのかわからないといった表情で答える。



「何、言ってるんだよ、ヒナタ。今まで、俺のことを立派な組長だという目で見ていた小夜が、ついに切れ痔番長なんていい始めたんだぞ!大問題だろうが!」



「・・・・元々、立派な組長だと思ったことありませんけど・・・」



私は、素直な気持ちを言った。



「・・・・問題なしじゃん。」



真木ヒナタが、私の言葉を聞いた後で組長に答える。



「・・・・そうだよね。・・・・しょせん、俺なんて組長の前にただの切れ痔野郎なんだよ・・・。」



台所でしゃがんで、床を指でスリスリしながら、落ち込む組長。

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