やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「ゲンキ、ゲンキ、ネ。これ、あげる。」
美奈は、そんな組長にポケットから飴玉を出して、差し出す。
「み、美奈・・・俺には、美奈だけだよ~!」
組長は、涙を流しながら、美奈から飴玉を受け取った。
私は、その微笑ましい様子を笑顔で見ていたが、頭の中では、これからどうすればいいのか悩み続けていた。
「まだ、寝ないのか、小夜?」
真木ヒナタが、そんな思い悩む私に声を掛けてきた。
「・・・・はい。・・・これから、どうすればいいのか、ちょっと悩んじゃって・・・。」
私の言葉を聞きながら、真木ヒナタが、台所のイスに座った。
「まぁ、あんまり考え込むなよ。第一、考え込んでも、答えが出るようなものじゃないしさ。・・・まぁ、話ぐらいだったら、俺が聞いてやるよ。」
いつになく優しい真木ヒナタ。
「真木さん・・・・。私、真木さんの事、どうしようもない人だと勘違いしてました。」
私は、感動した目で真木ヒナタを見る。
「まったく、俺って、勘違いされやすいんだよな。・・・まぁ、いいよ。それより、話してみろよ。」
私に笑いかける、真木ヒナタ。