やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「それにしても、蹴られても、まだ、寝てるなんて、よほど眠たかったんだな。」
動かないポチを見て笑う真木ヒナタ。
私とサブは、顔を見合わせた。
(・・・・ポチさん、永遠に起きないかも・・・)
私とサブの考えは一緒だった。
「真木さん、私が組長って、私は、何をすればいいんですか?」
私は、とりあえず、ポチをほおっておいて、真木ヒナタにも尋ねた。
「小夜が何をすればいいかって?そんなの決まってるだろ!」
真木ヒナタは、うれしそうに私を見た。
「・・・・何ですか?」
嫌な予感を抱きつつ真木ヒナタを見る。
「トラブルを起こすことさ!」
「・・・・・意味が分からないんですが?」
「小夜がトラブルを起こせば、それだけ俺が暇しないだろ。」
満面の笑みの真木ヒナタ。
「・・・フゥ~・・・サブさん、銀行に行きましょうか?」
私は、満面の笑みの真木ヒナタを置いておいて、サブに声を掛ける。
「・・・・そうだな。」
サブも呆れた様子で答えた。
「小夜~、しっかりトラブル起こして来るんだぞ~!」
私とサブは、真木ヒナタの意味不明な言葉に送りだされて、銀行へと向った。