やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「お兄ちゃん・・・・・・・」
「本当か?」
ミチから教えてもらった銀行強盗が、驚いたような表情を浮かべる。
「本当ですからのぉ~。」
お爺さんが、相変わらず、ゆっくりと答えた。
「それは、困った!ミチ、お兄ちゃんは、困ったぞ!」
お兄ちゃんの銀行強盗が、ミチを見つめる。
「お兄ちゃんが困ったら、ミチも困っちゃうよ!」
ミチも、お兄ちゃんの銀行強盗を見つめた。
「ミチ~!」
「お兄ちゃん~!」
2人の銀行強盗が抱き合う。
私達は、その行動をただ呆然と眺めていた。