やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】




銀行強盗の2人が、困って抱き合っている最中に、お爺さんが、銀行強盗の2人に聞いたのが始まりだった。



「ところで、お二人は、なぜ、5,000万円もの大金が必要ですのかのぉ~。」



「・・・・聞きたい?」



「・・・教えて欲しい?」



銀行強盗の2人が、抱きついたままでお爺さんの方に顔を向けて言った。



お爺さんが、うなずく。



「それはね、ナナミを助けるためなんだよ!」



銀行強盗のミチが、言った。



「ナナミとはだれですかのぉ~?」



お爺さんが尋ねる。



「ナナミはね、お兄ちゃんの子供なの!ねぇ、お兄ちゃん。」



「ああ、ナナミ、凄い可愛いんだぜ。お爺さんも見たい?」



銀行強盗のお兄ちゃんの方が、お爺さんに尋ねる。



「見たいですのぉ~。」



「それじゃ、病院に入院してるから、今から、行ってみる?」



銀行強盗のお兄さんは笑顔で言った。



「今からは、無理じゃないですかのぉ~。」



「何で?お爺さん忙しいの?」



銀行強盗のミチが不思議そうな顔でお爺さんを見る。



「今、銀行強盗に失敗して、警察官に取り囲まれておりますからのぉ~。」



冷静に答えるお爺さん。



「・・・・あっ!お兄ちゃん、そう言えば、僕達、警察に取り囲まれているんだよ!」



思い出したようにミチが、もう一人の銀行強盗を見た。


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