やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「・・・・・お兄ちゃん・・・ナナミ、泣いちゃうかも・・・。」
ミチが、カンジを見た。
「・・・・そうだな。ナナミ泣いちゃうな・・・・。」
カンジは、つぶやいた。
「だったら、考えよう!ナナミちゃんが助かる方法を!」
私は、カンジとミチの前に座る。
「・・・・まったく、しょうがないな、小夜は。相手は、銀行強盗だっていうのに・・・。」
ブツブツいいながら、小夜の隣に座り込むサブ。
私とサブの様子を見ていた人質達が、しばらくしてから、ゆっくりとカンジとミチの周りを取り囲むように座る。
そして、全員で、どうやってこの状況を抜け出すか考え始めた。